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― Metamorphose ―

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出版するということ……

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   ― 紀伊國屋にて ―

先日、大阪・梅田にある老舗の『紀伊国屋書店』へ行ってきました。

ずっとネットの友だちで創作仲間の草愛やし美さんと
この度、一緒に文芸社から小説を全国出版したので、
ふたりで書店に並んでいるか見に行ったのです。

草愛さんは大阪駅近くなので、本が売り出されてすぐに見に行って
「紀伊國屋さんに『露天風呂の秘密』が二列で平積みになってたわぁ~♪」
と、感激の声を携帯で知らせてくれた。

大阪近郊に住む者にとって、梅田の『紀伊國屋書店』は
グレードの高い書店だという印象が特に強い。
私たちが若い頃、まだネット通販などなかった時代には
専門書や洋書などは、梅田の『紀伊國屋書店』まで行かないと
売っていなかったのだ。
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阪急電車のステーションビルの中にある
いつもたくさんの通勤客で溢れかえっている
『紀伊國屋書店』は、本の好きな者たちが憧れる
聖地のような本屋なのだ。

まさか、あんな凄い書店の店頭に
自分の書いた『奇妙な映画館』が並ぶなんて、
まるで、夢みたいな出来事だった!

文芸社コーナーの棚に並べられた本を
草愛さんとふたりでカメラにしっかりと収めてきました。


   ― 全国出版とは ―

私たちは縁があって文芸社から本を出版しましたが
創作者の中には自費出版だと聞いて、馬鹿にしたり、嘲笑したり、
また、
「あんた、それは詐欺商法だよ。騙されているんだ止めなさい!」
と、ご親切に警告してくださる御仁までいました。

なにを基準に自費出版を愚弄するのか分からないが……
あの江戸川乱歩も推理小説の大御所だった松本清張も
日本文学史に名を残している大作家たちも、
初めの一歩は自費出版が多いのです。

松本清張などは中学しか出ていないので……
戦後、ホウキの行商をしながら、自費出版したボロボロの自分の本を
ホウキと一緒に売って歩いたということは、
文学史では語られていない清張の側面である。

自費出版=詐欺商法という意見もいい加減止めて貰いたい! 
ちゃんと書店に並んでいましたし(他の書店でも確認済み)
本が売れる売れないは、本人の実力か運だと思っています。

確かに公募で入賞して本を出せた作家は立派だと思う。
されど、それ一発で消えた作家も実に多い。

最近は自費出版からメジャーになった作家が増えています。

自分のお金で出版した者は覚悟が違います。
他力本願で売れるなんて、そんな甘い考えは元よりありません。
やれるだけのことは自分でやろうといろいろ手を尽くすのです。
あざといと言われても、それだけの犠牲とお金を使いました。

ところで、商用自費出版と私家版と一緒だと考えていませんか?

商用自費出版はその会社の看板、たとえば「文芸社」という会社を
背負うので、出版社側の作品審査もそれなりに厳しいです。
書き直しや細かいチェックを編集者とワンツーマンでやっていきます。
その中には、文法の間違いや禁止用語、著作権の問題などなど……

『重複表現・誤字脱字・文字(言葉)の統一』
この3点が自己チェックポイントです。

私家版というのは、自分でチェックした作品を
印刷会社に注文して本にして貰ったもので
コミックマーケットやホームページなどで自分で販売する本のこと。
本の背表紙にバーコードがないものは
書店やネットショッピングなどの流通から販売されない本です。

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   ― 夢をカタチにしたら ―

やっぱり『夢』にもお金がかかりました。

自分が生みだした作品が我が子とするならば
生んで育てて一人前にするのには
人間ならば何千万円もかかるかも知れません。
やはり小説も体裁の良いものにしたいのなら
それ相当のお金は要りますね。

しかし、書店の店頭に並んだ我が子の晴れ姿を見たら
「おおっ、すごい! すごい!」
と、感歎の言葉が口から飛び出してきます。

――これはやった者にしか、味わえない感動です。
それこそ墓場まで持って逝きたい至福感でした。

人はいつ死ぬか分からないのだから……
『明日の自分にお金を残すより、今日の自分に使ってしまおう!』
そう言って、ありったけのお金をかき集めました。
うちは旦那と仲が悪いので金銭的な援助などあり得ない。
お陰でスッテンテンになりましたが、後悔はしていません!

それが『夢』にお金を使うということ
馬鹿だと言われても、手に持ったこの本の重みは
私の存在の全てなのです。

果たして『奇妙な映画館』が売れるかどうかは
分からないけれど
本を上梓したことだけで、泡沫恋歌は満足しました。

これで、いつ死んでも決して後悔はしない!!

                 ……でしょう、たぶん?(*^×^*) 終わり♪

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by utakatarennka | 2012-01-19 06:48 | エッセイ

by 泡沫恋歌