人気ブログランキング | 話題のタグを見る

― Metamorphose ―

rennka55.exblog.jp

泡沫恋歌のブログと作品倉庫     

ブログトップ

散文 [なぜ人を殺してはいけないのか]

散文 [なぜ人を殺してはいけないのか]_a0216818_11252320.jpg
フリー画像素材 Free Images 1.0 by:isafmedia 様よりお借りしました。http://www.gatag.net/


なぜ人を殺してはいけないのか

読売新聞に、こういう記事が載っていたので興味深く読ませて貰いました。
佐世保の高校一年の女生徒が同級生を殺害した事件について、識者たちからのコメント記事ですが、まあ、どれも釈然としない意見でした。
「なぜ人を殺してはいけないのか」という、あまりにも当たり前の質問に対して、ハッキリと答えられる人は逆に少ないのではないだろうか?

たとえば、学校でよく言われる「命を大事にしよう」では回答になっていない。
なぜ殺してはいけないのかに対して、それは悪いことだと答えたら、じゃあ、戦争で人を殺すのは悪いことではないのかと突っ込まれる。
戦場では敵を殺さなければ、自分が殺されるという切羽詰まった状況なのだ。
その場合、自己防衛だから人を殺すことも仕方ない行為だろう。
戦争では、たくさん人を殺した人間が勲章を貰って英雄だと讃えられる。
人を殺してはいけないと言いながら、実は殺しても良い殺人がこの世にはある――。
要するに、人を殺す価値観自体が政治やイデオロジーによって様々に変化していくものだ。

大虐殺というなら、ヒトラーが殺したのは2000万人。
これに対し、5000万人を殺した毛沢東、6000万人を殺したスターリンがいる。
ヒトラーはユダヤ人を虐殺した戦争犯罪者として黒歴史に刻まれ、毛沢東とスターリンは共産主義者たちの英雄である。
――歴史的にみて一番多くの人命を奪っているのは共産主義者なのだ。
だが、この殺戮者たちの評価の違いはどこからきている? 
単に殺した人数だけでいうならヒトラーの罪が一番軽いとも言えよう。
共産主義たちが殺した人数の中には、間違いなく罪のない赤ん坊や幼児も含まれていた筈だ。
人を殺したという罪は同じなのに扱いが違うのは、敗者と勝者の違いで、負ければ全て罪を背負い込まされる。
日本は広島と長崎に原爆を落とされて非戦闘員の女や子供、老人を大虐殺されたが、米国が戦争に勝ったので誰も文句を言わない。
中国では現在も『民族粛清』の名の元に、ウイグルやチベットで虐殺を行っています。
こういう現実を無視して「人を殺してはいけません」などと、きれい事がよく言えたもんだ。

佐世保の事件から、大きく脱線してしまったが、「なぜ人を殺してはいけないのか」という質問には、政治や宗教、個人の事情を無視した上で、理屈ではなく、詭弁を弄することなく――。
究極の答えは、『自分がされたら嫌だから!』これしかないと私は思う。


   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-08-12 11:44 | 散文詩・散文

by 泡沫恋歌