村上春樹 「蛍・納屋を焼く・その他の短編」
最近は創作することばかりに腐心して
本も読まず、読書の楽しさを忘れてしまっていた。
面白い物語を書くためには、
私自身が読者の視点に戻るべきだと考え
『読書日誌』を付けようと思い立った次第であります。
■ 著者名 ■
『蛍・納屋を焼く・その他の短編』
■ 著者 ■
村上春樹
■ 出版社 ■
新潮文庫
■ ジャンル ■
小説
■ あらすじ ■
秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。
ダッフル・コートの厚い布地を通して、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。
彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。
もう戻って来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。
■ 感想 ■
「蛍」は、いかにも村上春樹らしい、切なくも美しい青春の想い描いた小品でした。
「納屋を焼く」は、僕という一人称の主人公が村上春樹自身のように思えてくるような話づくり。
私は短編集の中で「踊る小人」と「めくらやなぎと眠る女」が面白かった。
小人はファンタジーぽい話だったし、まくらやなぎは僕といとこの会話が興味深かった。
村上春樹はどんな話でも器用に書きこなす作家なんだと感服させられた。
■ 参考になったこと ■
あとがきの村上春樹が、「理由はうまく言えないけれど、小説を書くことがとても好きです」
この言葉に妙にシビレた! この作家は言葉で読者を誑すんだと思った。
■ 評価 ■
★★★★☆
【中古】 蛍・納屋を焼く・その他の短編 / 村上春樹 |