詩集 愛の言霊 ④
【 ロマンティック 】
君がいたら 何もいらないと
あなたが言う
あなたがいれば 何もいらないと
わたしは言う
この想い
強く強く抱きしめたなら
儚い泡沫に愛を重ねて
そのまま時を消していく
ふたりで過ごす この時は
愛に溢れた 至福のひととき
君がいたら 何もいらないと
あなたが言う
あなたがいれば 何もいらないと
わたしは言う
たとえ
許されない恋でも
求め合う心に嘘はつけない
心の中にいつもあなたがいる
あなたの心に寄り添って
わたしは生きていきます
【 lonely heart 】
『 寂しい 』とあなたがいう
こんなに傍にいるのに
なにがそんなに寂しいの
君に逢えないと寂しい
君を待っている時が寂しい
君の心が見えなくて寂しい
そう言って子供みたいに拗ねた
愛されていても
愛されていなくても
人は寂しいんだね
ひとりは寂しいくて
誰かの心に寄り添うけれど
寂しくないと思えたのは錯覚で
すべてを独占できるわけではない
好きなのに寂しい
好きになればなるほど寂しい
心はいつもひとりぼっち
――寂しいと言われて
そう分かった瞬間が一番寂しい
私たち愛し合ったんじゃなくて
孤独を舐め合っていただけなのだろうか
【 柿 】
ねぇ あなたは柿好き?
わたしは嫌いだったんだよ
むかし 田舎から送られてきた
柿を ひとりで食べ過ぎて…
おなか壊して 三日寝込んだ
たかが柿って あなどれないよ
それ以来 柿が怖くなった
こっちの 牡蠣じゃなくて
それが久しぶりに食べたら
めっちゃ美味しくて 感動した!
この柿 むいてあげようか?
半分こにして 一緒に食べよう
大きいほう あなたにあげるから
ねぇ とっても甘いでしょう?
この甘さは 幸せの味なんだよ♪
【 メッセージ 】
わたしが語った夢が
あなたの夢に似ているのに驚いた
わたしの大好きな湖が
あなたの住んでいる街にある
そんな偶然さえ 運命を感じてしまう
いつも 優しいあなたに感謝
逢わせてくれた 神さまにも感謝
ふたりの未来は 何も見えないけれど
あなたを想う気持ちが わたしを揺り動かす
あなたにだけ届く メッセージを創るよ
いま確かなものは 繋ぎあった心の絆
幾つかの偶然と 幾重もの出会いの中で
運命が呼び合って 巡り逢ったふたりだから
これから先ずっと あなたの傍で
夢を夢みながら 一緒に生きていこう
【 無限地獄 】
愛する人よ
わたしを覆いつくすほどの
言葉で 奪って 奪って――
迷いも ためらいも
すべて消し去るほどに
あなたの言葉で 雁字搦めに
この身を 縛って 縛って――
愛はInfinity
果てしなく遠く
限りなく深い
あなたの声しか聴こえない
奪っても 奪っても 奪っても――
狂うほどに人を愛したい
瞬きをするような 煌めきに
わたしの血は赤く滾り
心も身体も燃やしつくした
激しく 激しく 激しく――
一片の後悔も残さずに
燃えつきた心は 灰になっても
愛という幻想を追い求めて
自分の存在すら見えなくなった
現実と妄想が入り混じっていく
愛憎のchaos
掴んで 掴んで 掴んで――
男の心を掴み取りたい
愛という名の修羅場
底なしの呪縛に身悶えながら
女はひとりで 無限地獄に
堕ちていく
【 スクラッチ 】
つらい恋の終わりを
美しい想い出と言えるほど
わたしの心は広くない
割り切れない想いで
飲み込んだカプセル
口の中に残る イヤな味
笑おうとしたら 心の中に
溜まってた 涙が溢れてきた
もう わたし限界なんだ
スクラッチをコインで削って
幸せを探そうか 同じマークが
ふたつ合わさったら ハッピー
削って 削って スクラッチ
きっと見付つけるよ ピッタリ合う
わたしだけのハートマーク
【 いちご 】
頬をなでる風が なま温くなって
何処からか 春の香りを運んできた
ガラス皿に盛った いちごは
はち切れんばかりの 真っ赤!
嬉しくなって お口に放り込んだら
いちご酸っぱくて 切なくなった
『 声が聞きたくて 携帯にぎって
眠った夜もある
伝わらない想いに 灯り消して
泣いた夜もある 』
愛してくれない人を 想いつづけるのは
苦しいくて 惨めなだけなのに
どうして わたしじゃダメなんだろう?
口の中でいちご 涙の味に変わっていく
弱い自分を叱りつけ 無理やり笑った
わたしの恋はいちご味 甘くて酸っぱい