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カテゴリ:詩集 愛の言霊( 20 )

詩集 愛の言霊 ⑳

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 【 make-up 】

鏡のまえで 
わたしを創っていく
色とりどりの化粧品で 
彩られていく顔
ひと筆ごとに 
愛される女へと変わっていく

素顔なんて決して見せない 
心にも化粧をする
あなたに逢う日は 
最高のわたしでいたいから
艶めくピンクのルージュで 
ハートを奪いにいくわ

あなたに愛されるために 
わたしは美しくなりたい
化粧は女の戦闘服 
華麗な甲冑(かっちゅう)でこの身を守る
それは『愛』という 
戦場を戦い抜くために



 【 綱渡り 】
わたしの中で 
オンナが疼(うず)く
あなたに
逢いたい 逢いたい
この激しい衝動を 
抑えられない

優しいあの人の 
背中に嘘をつき
そっと部屋を出て 
足早に向かう
あなたが待つ 
その場所へ

優しいあの人は 
大事な人
逢いたいあなたは 
恋しい人
どちらの愛も
捨てられない 

人を傷つけても 
愛を乞う
わたしは罪深い
オンナだけど
ここまで来て 
後戻りは出来ない

この危険な
バランスゲーム
いつか崩れて 
すべて失うだろう
その覚悟を胸に 
愛の綱渡り

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 【 サクラドリーム 】

桜のつぼみがほころぶ頃に
わたしの心にも
小さな恋が芽生えた
あなたへのほのかな想いは
桜色の花びらとなり
夜空に咲き誇る
優しい春の風にのって
舞いあがった花びらは
夜空を舞い
桜吹雪となって
あなたをそっと包みたい


 【 散桜 】

花冷えの空の下
満開の桜が咲き誇る
冷たい春の風が
花びらをさらっていく
ひらひらと
桜吹雪になって天を舞う

もう 逢えなくなった
あの人を想う
今さら ふたりの時間を
巻き戻す術もなく
去っていく人の
後姿をただ見送った

散りゆくさだめに
桜も涙するのだろうか
春は季節の中で
一番哀しい
出会う前に
別れがそこにあるから


 【 今年も桜が咲いて 】

『 おーい 』 夫の呼ぶ声がする
家事の手を止めて ゆっくりと階段を降りていく
桜の木を指差して 夫が何かしゃべっている

『 桜の木に蕾がつきましたか 』微笑む わたし
今年も桜が咲いて またひとつ歳をとる
あなたとふたり ゆっくりと年を重ねる日々

『さぁ お茶にしましょう』優しく 声をかける
えぇ 分かってますよ あなたが好きなのは
ポットいっぱいの ダージリンティーのストレート

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 【 魔女になる 】

魔女になる アタシ魔女になるよ!
あなたに魔法をかけよう
恋の呪文を唱えるよ

   『 大好きなのはアタシだけ ずっと愛しつづけて! 』

あなたのハートは
クルスタルの瓶に入れて
アタシが胸に抱いて守っているから

あなたに寄ってくる女の子は
みんなカエルに変えちゃうよ
寂しがりやで ヤキモチやきのアタシ
魔女になる!

魔女になる 魔女になるよ!
昨日までのアタシは
こんなんじゃなかったよ

   『 大好きなのはただ一人 それは君だけ! 』

そう言った あなたの言葉で
アタシ魔女になっちゃった
最初に魔法をかけたのはあなただよ

大好きな人の言葉を守るため
どんなに傷ついても戦うわ
いくら強がっても 臆病なアタシ
魔女になる!

恋はわがままだから
言葉だけじゃ 足りないの
今すぐ 魔法のホーキに乗って
あなたに向かって飛んでいくよ

Only you! 
あなたの魔女を
両手を広げて受け止めて!



 【 Kiss 】

Kiss……
ふたりの
熱い吐息が
重なって
求め合う唇
きつく抱き合った
ふたりの呼吸は
ひとつになり
鼓動が時を刻む
甘い蜜のような
官能に
身も心も融けていく
この愛が
永遠に続くように
ふたりの
Kissは終わらない


       【 触れる 】

      触れる 触れる
      あなたに触れる
      頬に触れる 唇に触れる
      唇が触れた 愛が震える
      離したくないもの
      ギュッと抱きしめる
      あなたの温もり
      この肌に閉じ込める


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-07-05 18:47 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑲

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 【 黒い水 】

黒い水が流れている
川底の尖った砂利が
足の裏を刺す
ふいに目覚める意識

孤独な夜 眠れない夜
何度も寝返りをうち
その度に
もれる白い溜息
小さな自己満足かぞえ
自分を励ましてみる

眠ろうともがくほどに
冴える頭の中
思い出したくない
記憶が浮かび上がり
忘れたい人の顔が
心によぎる

きっと あなたは
わたしを恨んでいるよね?
愛の詩を詠う わたしは
誰よりも愛を信じられない
些細な言葉に傷つき
心を閉ざす

寒い 寒い!
骨が震える
ああ ワインも切れた
眠れない枕の数をかぞえ
わたしは詩人になっていく



 【 フラットハウス 】

あなたとわたし
ふたりの未来図広げたら
海の傍(そば)の小さなフラットハウス

あなたは釣りをして
わたしは野菜を育てている
床には猫たちが寝そべっていて

遥か水平線 海から
陽が昇り やがて沈んでいく
そんな時間を共有できる

小さなパンだって
ちぎって分けようよ
貧しいけど豊な暮らし

歳を取ったら
そんな暮らしがいい
自然と触れ合う暮らしがいい

のんびり ゆったりと
わたしの『 心の居場所 』に
いつか たどり着けるかな

愛する人と一緒に
静かに年老いていこう
海の傍の小さなフラットハウス

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 【 月の光 】

月の光に照らされた 
君の白い肌
強く抱きしめると 
壊れそうな細い肩
抱き寄せて 
両の腕(かいな)に包み込む

『 寂しかった…… 』 君はつぶやく
逢えないのが寂しいのではなくて 
私を忘れていたことが
『 寂しいの…… 』 君の瞳から
涙の雫があふれだす

月と星のように惹かれあっている  
ふたりなのに
どうして君は 
そんなに不安がるのだろう

その桜色の耳たぶを 
強く噛んで僕のしるしをつけよう
たとえ逢えなくても
いつも僕が想っていることを
君が忘れないように 
その肌に刻み付けよう
重なり合った二人の吐息が 
夜の静寂(しじま)に溶けていく

今宵 君の涙で 
月の光が霞んでみえたなら
君の頬に優しくキスをして 
僕は君の寝息で静かに眠ろう



 【 ホワイトクリスマス 】

christmas illumination 

点滅する光の街を
僕らは コートの襟を立てて歩いていた
寒そうに肩をすぼめる 君の手は
僕のコートのポケットの中で握られてる

優しさだけでは 君のことを幸せに
できないこと わかっているんだ
僕に足りないのは 優しさじゃなくて
ホントの強さなんだと わかっているから

ほら 雪がちらついてきたよ
今夜はきっと

       『 White christmas! 』

そういって無邪気に笑った 
君のピンク頬に 真っ白な雪が 
ふわりと舞い落ちた

僕らのchristmas
来年も再来年も その先の未来まで 
ずっと繋がってることを願って
ポケットの中で 君の手を強く握りしめる
まだ 君にいってなかったね……

       『 Merry christmas
         今夜はきっと White christmas! 』


 【 聖夜 】

クリスマスで賑わう 夕暮れの街 
待ち合わせに 来ないあなたを
時計を見つめて 半ベソで待っていた
かじかんだ手に 白い吐息をかける

ゴメン! 仕事が片付かなくて……
息を切らして駈けてきた あなた
もう 帰ろうかと思ってたのに……
嬉しいくせにわざと拗ねた わたし

ダメ! 今夜のきみは俺のもの!
そう言って 肩を抱き寄せた恋人
メインディッシュは あ・た・し?
頬寄せ合って あの日ふたりで笑ったね

時が流れて 街も人も心も変わっていく
確かなモノなんて 何ひとつないんだ
聖夜を迎えるために 料理を作っていた
別れた恋人の 面影をかき混ぜながら

いつかの 遠いクリスマス……
封印された想い出 ふたりの聖夜
永遠に色褪せず 心に染み込んいた

わたしの傍には あなたの笑顔があった


 【 christmas 】

イルミネーションの街
行き交う人も忙しげな
そんな季節がやってきた

飾られたクリスマスツリー
1つ1つのオーナメントに
きっと願いが込められている

  『 自分を偽らない
    在りのままのわたしでも
    受け止めてくれますか? 』

来年も再来年も
ずっと あなたの傍で
クリスマスを迎えたいな

真っ白な雪が降ってきた
それは天使からの贈り物
頬に触れて幸せの涙にかわる

   『 Merry christmas! 』

未来のクリスマスまで
予約入れたよ!

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 【 イルミネーション 】

手を繋ぎふたりで
見上げたイルミネーション
指先から流れた電気
ハートの電飾が点滅したら
愛が輝きはじめる


 【 クリスマスローズ 】

星屑を集めたように
煌めく光で街は飾られた
行き交う人も忙しげな
そんな季節がまたやってきた

駅前の広場には
大きなクリスマスツリー
そこは恋人たちの
密かな待ち合わせ場所

クリスマスケーキを手に
家路を急いでいた
わたしの目に ツリーの元 
白く浮かび上がってきた

まさか逢えるなんて……

遠い日の恋人
忘れられない人だった
この場所で待ち合わせて
ふたりは聖夜を過ごした

やあ!
とあなたが声をかけた
立ち竦(すく)む
わたしの胸が小刻みに震える

言葉もなく
見つめ合ったまま
時間が逆流する刹那(せつな)
現実に立ち戻ろうとする私に

「まだ帰さないよ、腕時計見ないで」

あなたの言葉が
わたしを誘惑している
耳元で囁いた声に
心がとろりと溶けていく

さようなら……
クリスマスローズのように
うつむいた頬に
ひと粒 涙が零れていく

もう夢でしか逢えない
恋人の幻影に
手を振りながら
わたしは足早に歩いていく

家族の待つ家で
小さな幸せに微笑んで
クリスマスケーキ切り分け
あなたの分まで食べてしまおう

  ―― それは天使からの贈り物
    クリスマスの夜の奇跡だった ――


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-07-05 14:17 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑱

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 【 風 】

私の視線を微妙にかわす 
……あなた

その姿を執拗に追い求める 
……わたし

獲物を狙うハンターのように 
……辛抱強く

あなたを捕まえて 
カーテンに隠れてキスをした

つぎの瞬間 
ふわりと身をかわし消えてしまう

あなたを繋ぎ止められない 
苛立ちに唇を強く噛む

あなたは風 
わたしの心を揺らし通り過ぎるだけ



 【 人魚 】

ひとりぼっちの人魚は 
孤独な海を泳いでいる
誰の声も聴こえない 
きれいな歌も聴こえない
暗くて冷たい海を 
ひとりで人魚は泳いでいく

優しくされたって 
誰にも捕まらないわ
その腕から 
スルリと抜けて
ふたたび 
人魚は孤独な海に戻っていく

    ― ひとりが孤独じゃないの
       信じられるモノがないことが孤独なんだよ ―

南の海を目指して 
人魚はひたすら泳ぎ続ける
ヒレが傷ついても 
ウロコが剥がれても
決して涙を流さない 
南の海に憧れてるから

コバルトブルーの海に 
大きな愛があると信じて
いつか 
深い愛に抱かれる日を夢見てる
信じるモノを求めて 
人魚はひとり泳ぎ続ける



 【 口紅 】

紅い口紅ぬってみた
あの真っ赤な口紅
いつか あなたが買ってくれた
似合わないから ぬらなかった口紅
自分らしくないと一度も使わなかった

わたしの小さなこだわりが
あなたを寂しくさせてしまったのかしら
もし この口紅ぬっていたなら
ふたりの今の運命は変ったのかな?

紅い口紅ぬってみた
そこだけ 艶めく紅い唇
別れた男の唇が恋しいと
鏡に映った紅色が震えている
真っ赤な口紅は哀しい情念

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 【 ゆらぎ 】

『 君に逢いたい 』
携帯のあなたの声が
耳に残って離れない
逢えない理由 逢いたい理由
左のくすり指を
見つめて考えている

ゆらぎ……
心が振動で揺れている
だけど答えが見つけられない
目を瞑り 時を撫でる
わたし女だってこと忘れていた

『 君に出会えて良かった 』
あなたのその声が
強く背中を押した もう迷わない
その言葉を信じて歩いていく
あなたの声のする方へ

わたし歩いていく……



 【 一円玉 】

あたしを奪って ここから連れだして
この手を強く握っていてね
そう 男に願ったのに……

けっきょく
ここから一歩も踏み出せず
憂鬱な日常と
きつい仕事から解放されない
現状は変わらないまんまだった

こんちくしょう!
意気地なしの男を恨んだ
あんた なんかっ!
……と、怒鳴ってもしょうがない

道端に落ちている一円玉は
見ていくだけで
だれも拾ってはくれない

要するに
あたしはその一円玉の仲間ってことか?
もう 夢をみるのは止めておこう


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-07-04 23:26 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑰

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 【 心の樹 】

何処までも澄み切った 
あなたの青い空に
ある日忽然(こつぜん)と 
1本の樹が生えた

あなたの心に 
その樹は根をおろし
幹を伸ばし枝を張り 
たちまち緑の葉で覆いつくす

その樹のことを人は 
『 恋 』と呼ぶのだろうか

心に宿ったその樹は 
感情という棘(いばら)で
あなたを迷わせ 
深く傷つけるかも知れない

実る果実は 
悲しみと失望の味だとしても
その樹を手折(てお)る 
強さがあなたに無いのなら

いつか心の樹が枯れる 
最後の瞬間まで
わたしの傍に居てくれますか 
透明の笑顔のままで



 【 情死乞 】

あたしゃ
あんたに殺(あや)めて欲しい

年とって皺(しわ)くちゃ婆になって
医者に命を盗られるくらいなら

いっそ
ここで殺しておくれ
女にとって幸せなことは
きれいなうちに 
惚れた男に命を奪われること

情事の後でまどろんだとき
手ぬぐいを首に二重に巻いて
ぐっとひと思いに絞めて

もがき苦しんで
血を吐いて 失禁しても
どうか息絶えるまで
その手を緩めないで
絞めて 絞めて 
絞め続けておくれよ

この命
あんたに盗られるなら
本望だから……

あたしゃ
あんたに殺めて欲しい

ああ
こんなことをいう
あたしは狂っていますか
そうさ
あんたという男に狂っちまったのさ

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 【 Jigsaw Pazzle 】

わたしの心をあなたの愛で
いっぱいに埋め尽くしたいの!

笑ったこと 泣いたこと 怒ったことも
全部わたしの 心のカケラだよ

どれも あなたへの大好きが詰まった
わたしの愛のピースなんだ

探して 探して いつかきっと見つかるよ
ふたりの心と心が ピッタリと繋がる

 Love Pes.!



 【 夜光虫 】

光の海に浮かんでた
独りぼっちで漂っていた
小さな掌(て)を伸ばしてみたけど

誰もただ触れてくだけで
この掌を握り返してはくれない
寂しさで心が萎(しお)れていく

四角い箱の向こう側に
あなたという光をみつけた
その掌は優しく力強かった

そしてあなたは
わたしをすっぽり丸ごと
包み込んでしまった

もう離れられない
求め合う魂は固い絆になる
今宵も熱い鼓動が重なって

蒼い闇に溶けていく
甘美な夢に堕ちていく
ふたり波間を漂う夜光虫



 【 クローバーリーブス 】

四つ葉のクローバーを 
わたしは探していた
それは 
ふたりの心を繋ぐ魔法の葉っぱ
もし見つけたら 
あなた優しくしてくれるかな?

メールの返事はくれないし 
いつも後回し……
あなたの愛は 
わたしの心に足りてないのよ!
愛は秤では量れないのに 
その重さを気にしてた

あなたがいるだけで 
嬉しいんだから
大好きな この気持ちを
もっと大事にしたい
ねぇ ふたりで探そうよ 
四つ葉のクローバー

いつか きっと見つかる
幸せの四つ葉のクローバー!


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-07-04 15:56 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑯

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 【 木枯らし 】

 木枯らし ( 男の子の言い分 )

いつもの通学路
冷たい木枯らし ふたりの頬を打つ
僕の指先 ポケットで凍えてる

触れようとのばした 僕の掌を
君が冷たく払いのけたから
ポケットの中で コブシになった

木枯らし冷たいよ
君の肩を抱けたら
ふたりで温まれるのに

不機嫌なキミは
足元でカサカサ舞う 枯葉を
じっと見詰めたままで
一度として 目線を合わせない

木枯らし冷たいよ
君が泣いてくれたらいいのに
そしたら僕が謝れるんだ

君の頑な態度が 僕を苛立たせる

きっと僕がメールを送って 
君が無視して
それを僕が怒って 
ふたりの恋は終わりかな?

木枯らし冷たいよ
君の心に触れられない
もうすぐクリスマスなのに

僕はひとりぼっちなのかな……

         *

 木枯らし ( 女の子の言い分 )

木枯らしなんか寒くない
アタシの決意は変らない

いつも同じ文句のメール
優等生の君は 誰にでも優しい 
アタシでなくてもイイんじゃないの?

もうウンザリだよ 
ツマンナイよ そんな恋は
君の心 いつもよそ見してるんだもん

さっきアタシに 触れようとしたから
払い除けたら そのままその掌を
ポケットにそっとしまっちゃった

いつも君はそうなんだ
そうやって すぐに引いてしまう
ねぇ どうして怒らないのよ!

そしたらアタシ泣けるのに
きっと素直になれたのに
もっとアタシの心に触れてよ!

木枯らしなんか寒くない
明日 髪を切りに行くんだ
春までにはきっと伸びてるから
今年のクリスマスどうしようかな?



 【 エロスとタナトス 】

肩に掛かるキミの髪をかきあげて
白いうなじにくちづける
甘い女の匂いがした
潤んだ瞳で切なげにボクを誘う
やがてその身をまかせ
ボクはその肌で儚い夢をみるのだろう
たとえ許されない恋でも
快楽だけの愛でも
ボクはキミの海に溺れている
この愛は痛みにも似た苦しみ
エロスとタナトス……

  『 愛はすべてを奪うこと
        そして支配すること 』

ずっと年上のキミは
ボクと同じ刻(とき)を生きられない
ふたりの間に横たわる河を
ボクは渡っていけるのだろうか
時間(とき)がキミを汚さないうちに
美しいままのキミを奪ってしまい
そして心のネガに焼き付けよう
永遠に色褪せないように
ボクの愛する人を
この手で冥界へさらっていきたい
エロスとタナトス……

  『 死は美しき崇拝
        そして完全なる終焉 』

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 【 小さな花 】

小さな花が咲いていた 
街路樹の植え込みの片隅で
ひっそりと人知れず咲いていた
ある日 ひとりの青年が立ち止まった
小さな花を見つけて 
しげしげと眺めてこう言った
 『 ああ、なんて可愛い花なんだろう 』 
にっこりと青年は微笑んだ

小さな花は驚いた 
こんなわたしを見つけて
可愛い花と言って
あの青年は微笑んでくれた
初めて存在を見つけられて
小さな花は嬉しかった

その日から あの青年のために
咲き続けようと誓った
小さな花は毎日々
雨の日も風の日もずっと待ち続けた
あの青年が 
もう一度 わたしを見て
にっこりと微笑んでくれるのを!

風のように 小さな花の前を 
自転車が颯爽と走り抜けた
あの青年だ! 
その瞳は真っ直ぐに未来を見つめていた
足元の小さな花など目もくれない 
もう存在すら忘れ去っている

  『 わたしをあなたの手で引き抜いて 
    道端に投げ捨ててください!   』

そう叫ぶと小さな花は 
悲しみに萎れて枯れてしまった

次の年から 
その場所に小さな花は咲かなくなった……



 【 感謝状 】

あなたに感謝状を差し上げましょう

ありがとう!

宝石のような言葉で
私を輝かせてくれる
あなたは素敵なペテン師さん

ありがとう!

負けず嫌いな私は
いつも敵を作ってしまう
けれどあなたは事なかれ主義者

ありがとう!

心の中まで話し合える
私たちは一本の幹で繋がっている
いいえ 
そんなロマンティックなもんじゃない
ただの腐れ縁なんだよ

わたしみたいな捻くれ者を
見捨てないでくれた
あなたに感謝状を差し上げましょう

……読んだら
丸めてゴミ箱へポイしてよね!



 【 聖器 】

女よ嘆くなかれ 
その身から赤い血を流すのは
女に生まれし証 
我ら愛する人の種を残すために
月の女神の洗礼を受け 
柔肌を赤く染めていく

されど男が創りし神は 
女は不浄の性だと云う
身から赤い血を流すのは 
穢れゆえの所業なりと
ならば問う 
この世に女から産まれぬ
男が存在するのか

女よ其の身を誇れ 
全ての生命は母から誕生する
その胎内では 
人類数十億年の進化の過程を創造せり
我ら女は赤い血を流す 
子宮という聖器を抱く
豊穣(ほうじょう)なる性なり


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-07-04 14:57 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑮

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 【 蜃気楼 】

灼熱の砂漠 道に迷った旅人は
あてどもなく彷徨い やがて朽ち果てる

太陽に焼かれて その身を焦がし
焼けた砂に 埋もれて溶けていく

近づけば遠ざかる 追えば逃げていく
砂嵐に隠れて 何処にもオアシスなんかない

あなたを捕まえたくて 掌を伸ばしても
どうしても掴めない 運命の紅い糸

愛する人よ 連れて行ってくれないのなら
わたしをここで 縊(くく)りころしてください

わたしの存在なんて 最初から無くて
いつか愛を信じて 心に描いた蜃気楼

灼熱の砂漠 道に迷った旅人は
あてどもなく彷徨(さまよ)い やがて白い骨になる



 【 時の揺り籠 】

きのうは頭痛だった 
今朝は起きてから 
何も手につかない

携帯が鳴るたびに 
あなたかと思って 
胸がドキドキして 
メール開いて落胆する

あぁ辛い 
こんな苦しいのはもうイヤだ
薬が切れた 
ドラック患者みたい……

どうして『 嫌いになった 』って 
言ってくれなかったの?
『 君の幸せ祈っている 』なんて 
別れ言葉にいわれたら……

いつまでたっても 
未練が残るじゃないの
最後まで優しいあなたは 
最後まで罪な人だった

憎むこともできない 
諦めることもできない
宙ぶらりんの心のままで 
どうすれば忘れられるの?

時が鍵だというのなら 
時が流れゆくままに
揺り籠のように 
優しく眠らせてくれればいい

悲しみに胸が震える 
寂しさに骨が軋(きし)む 
そんな自分を抱きしめて 
時の揺り籠で眠ろう



 【 夢の羽根 】

君に感謝している
そう書いたあなたの文字に
感動して涙が溢れて
泣いてしまった

泣いてる私に感動して
あなたも一緒に泣いてくれた

寂しい心のスキマに
温かな涙が満ちてきた
こんなpureな気持ちの
自分にとても驚いている

あなたに感謝しているよ
わたしを受けて止めてくれた

もうあなたしか見えない
瞳を閉じてもあなたがいる
夢の羽根でふたりを包むよ
愛のソナタを奏でていこう

I want you to love only me
I wanna love you forever

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 【 ふたりのこと 】

あなたとわたし
まだ触れたことのない指先に
運命みたいなもの
少し感じている

人との出会いは突拍子もなく
だが1つとして無駄はない
あなたのことを知りたいと思う
好奇心は恋の始まりかな?

そんな年でもないけど……
今さら面倒くさいと思っている
あなたの心にどんどん踏み込んで
わたしって無神経だね?

なんだか放って置けない人なんだ
あなたのこと友情から
一歩踏み込んで……
好きなのかもしれない



 【 白い花 】

白い花が流れていく
川の流れに身を任せて
ゆらゆらと

ある時は濁流(だくりゅう)に呑まれて
浮かんだり 沈んだり
ぐるぐると

今は緩やかな流れに
浮かび 空を眺めている
ふわふわと

白い花が
運命という川に流されて
どこに向かっていくのか

きっと 誰かが
川から拾いあげてくれる
そんな人を待っているんだ


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-07-02 15:47 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑭

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 【 屍の海 】

空を見上げる
あなたの隣で
わたしは
深い海に沈んでいく

夢を語る
あなたの声を聴きながら
止めどなく
涙を流している

相容れない
対極の感情がある

二分化した心は
天秤の針のように
揺れて 揺れて……
あてどない

愛することで
人を傷つけてしまう
いつも そう

この掌は血まみれ
何度も 何度も……
屍をのり越えてきた

自虐のナイフで
切り刻んだ
わたしの躯を

二度と
浮き上がれないように
屍の海に投げ込んでしまえ



 【 ため息 】

『 あの頃に戻りたい…… 』 ため息混じりに君が呟いた
僕は聞こえない振りをして 携帯のゲームを続けている
あの頃は 心がときめいていた
ふたりで居ると 世界の色も空気も違っていた
僕は君を 君は僕に 恋していたんだ

『 ねぇ何か言ってよ…… 』 切なげな声で君が言う
一緒のソファーに座っていても 心はひとつじゃない
もう君の声を聞いても……
君の涙を見ても 僕の心は動かないんだ
この居心地の悪い時間を 早くやり過ごしたい

『 もう許してはくれないのね! 』 苛立った君は
コーヒーカップを 乱暴にテーブルに置いた
それに反応して 僕は携帯を閉じる
君が一時 僕以外の男に心を奪われたことなんか
今さら蒸返されても もうどうだっていいんだ

『 コーヒーのお代わりはいらない 』

もう行くから 僕らの恋は終わったんだよ

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 【 草枕 】

歩き疲れた道
俺はなにを見てきたのか
移りゆく季節の中で
ただ 悔恨だけが胸に残っていた

あの町は変わっていないか
君の淹れたコーヒーが飲みたい
若き日の戯れのような恋は
甘い思い出を俺に残してくれた

草を枕に大地に抱かれて
天を見上げ 星の数をかぞえれば
君の唄が聴こえてきて
望郷に心が痛い

静かに目を瞑れば
夢の中まで君が出てくる
まだ帰れない
君の町には帰れない……

なにも見つけられないままに
月日は悪戯に過ぎてゆく
君の柔らかな髪の匂い 愛した人よ
まだ 俺は旅の途中なんだ



 【 イヴ 】

わたしのナーヴァスをあなたは知らない
胸の奥に巣食う腫瘍から
躯中に毒が廻る
身悶えするような熱情が
不完全なわたしに火を放つ

赫い林檎を食べた日から
この身に孕んだ
情欲という炎の架刑
それが愛だと思っていた
それを愛だと信じていたのに……

女の肌に纏わりついたのは
一匹の毒蛇だった
それは淫らで美しい煩悩
誰のものにもならないわ
心を縛る鎖なんかいらない

   ― わたしはイヴ
    「おんな」という女 ―




 【 ――できなかった人へ 】

届かない手紙を書いた
誰のためでもない 自分のために
朝起きると雨が降っていたら
ただそれだけで
心が浮力を失くしてしまう

お元気ですか?
今日はあなたの嫌いな雨になりました
まだ私を許してはくださらないつもり?
あれから ずっと 私は雨模様だった――

もう逢ってはくれない男へ
未練がましい想いを書いたら
手紙の行間から逆流した時間が滲みだす
ああ 心の中に水紋が広がっていく

ちゃんと“さよなら”
――できなかった人へ


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-07-02 15:05 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑬

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 【 プラネタリウム 】

夜空に煌く星々は 
光年の時を経て降りそそぐ
掌で受けとめた 
粉雪は瞬き一つで消えてしまう
久遠の奏で 
宇宙の時はワープしてリンクする

冬の星座たち
プロキオン・ベテルギウス・シリウス
アストロノートたちは 
星々に想いを馳せる
遥か未来 
この足で踏みしめたいと夢みる

アルタイル・ヴェガ 
永遠に惹かれ合う恋人たち
今宵 星々の吐息を聴きながら 
静かに瞳をとじる
掌を伸ばせば 
あなたの心に触れそうな気がした


 【 七夕 】

七夕の星空に煌く
アルタイル ヴェガ
永遠に愛し合う 恋人たち

『 逢いたい 』

その一途な想いだけで
今宵 天の川を渡っていく

たとえ神が
ふたりを引き離しても
心まで裂くことはできない

『 永遠の愛 』

深い深い絆で結ばれた
ふたりの愛は 天空を駆ける

『 永遠は時間の長さではなくて
  愛の深さを表す言葉なんだよ  』

そう今宵の月が囁いた



 【 溺れる魚 】

ベラドンナの毒が廻って
頭の中が痺れてきた
万華鏡くるくる回して
違う局面を探してみるけれど
見えるのは黒い★ばかり

ああ 自嘲的になっていく
わたしの鰭はうまく泳げない
愛という津波にのまれて
何度も 何度も 溺れた

愛を失うのは怖い
だから告白なんか聴きたくない

知らないままで 沈んでいく
暗い深海に沈んでいく
あなたという海に
沈んでいく

不様(ぶざま)な人魚は嗤いながら
海の泡になって消えていく



 【 Rain of June 】

午後から晴れるといっていた
天気予報があたらなくて
午後になっても
憂鬱な雨が降り続く

湿った食パンは味気なくて
作りかけのジグソーパズルに
八つ当たり
床中に散らばったピースたち
もう一度 最初から……

やり場のない感情
崩れていく理性
黒いクレヨンが心を塗りつぶす
この憂鬱さに
圧し潰されてしまう

きっと 
こんな雨の日にも黒い蝙蝠を差して
あなたは出掛けていくんだ
傘の中の自由な空間
そこが 心地よいのなら……
雨に閉じ込められた部屋の中で
わたしは自分と遊ぶ

未完成のジグソーパズルがある
指で摘まんだピースは
居場所を探して
雨の中を彷徨っているのに

無関心な
あなたの黒い蝙蝠が
わたしの心に水滴を零す

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 【 Long parting 】

降り続く雨のせいで
君は憂鬱な猫になった
小さな溜息を漏らして
物憂げな瞳で僕を見つめるから
雨雲の中へ 引きずり込まれていく

湿気で重くなった
躯を横たえるようにして
君は部屋の片隅で
ジグソーパズルに興じている

だけど 
その背中はいつだって
僕を見張っているのだ!

『愛』という 
ジグソーパズルのピースを
君はいつも探している
形のない感情に『愛』と書いて
そのピースを手渡せば
きっと君は喜ぶのだろう

だが
そんなに僕は優しくない
君の空間に嵌めこまれる前に
僕は僕の黒い蝙蝠で
独りの空間を創り
その中で心を遊ばせる

孤独な君の涙が僕に滴る

インディゴブルーの扉を開けて
君の陰鬱から逃れるように
この雨雲を突破して

青空を求めて
僕の黒い蝙蝠が飛んだ

adieu!



 【 凪 】

通り縋りの街に
何処か懐かしさを覚えて

忘れていた記憶を思い出そうとする
ふと浮かんだ笑顔に
少し胸が痛くなるけれど
明日のお天気のことを考えてみよう

幸せは無味無臭だから
気づかないで粗末に扱ってしまう
時々
掌の上で転がしてみたり
生命線の長さを確かめてみる

特別な人じゃない
ただ
笑顔が素敵なあなたに


  また会えますか?



 【 砂の記憶 】

口角からはみ出た口紅を
小指の先でそっと拭う
赤い口紅は
いつも私を強気な女に変える
呪文のように
優しい嘘を口から吐く

独りぼっち
砂の上を歩いていた
彼方にオアシスが見えるけど
近づけば 
近づくほど 遠くに逃げていく

凝視する男の眼
その手に持ったグラスに
発酵した嘘が注がれている
白い泡が唇に付着して
嘘つきの道化師
信じたら方が
負けだと分かっていた

ふたりは
砂の上を歩いている
果てしない砂の海の漂流者
歩いても
歩いても どこにも辿り着けない

灼熱の太陽の下
点々と残る足跡は
私に打ちこまれた愛の楔
漠として
時が経てば
黄色い砂嵐がさらっていくだろう
失くしてしまった
片っぽのハイヒールはどこ?

私の海馬
砂の記憶の中で眠っている


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-06-29 10:43 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑫

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 【 愁雨 】

一片の未練もなく
人を切ることができるなら
こんな憂鬱な雨の中だって
やすやすと泳いで渡っていけそうだ

あなたは繊細だから、と
人にいわれた
それは褒め言葉ではなく
弱い人間だと露呈してしまった
脆弱過ぎる心の在り処

雨に閉じ込められた
閉塞感に苛立ち
窓硝子を伝う
水滴を数えている
一滴 一滴と零れていく

空気遠近法は
遠くのものがぼやけて見えて
近くのものははっきり見える
心の雨が映し出す風景は
なぜか 遠い出来事ほど
鮮明に蘇るのは
どうしてなんだろう

もう空の色なんか
とっくに忘れてしまっているのに
明日は晴れるという希望だけが
捨て切れない

ほんの少し夢をみて
それを壊してみただけの
梅雨の晴れ間に
ぽっかり浮かんだ
――灰色の雲



 【 紅緋色 】

沈みゆく夕陽の
叫びにも似た紅緋色(べにひいろ)
世界を燃やし尽くすように染めていく

心の渇望(かつぼう)は際限なく
乾いた土が水を欲しがるように
あなたの言葉に耳を傾ける

わたしの葛藤は……
ざわめく言霊たちが交差する
未完成な箱庭の中にあって
小さな隙間には
希望が封じ込められている

あなたの差し出すパレットには
様々な色が塗り込まれていて
わたしの心に触れて
また新しい色に変わる

言霊はわたしの躯を廻り
群青の空へと解き放つ
紅緋色の胸 
『 愛の言霊 』を抱く巫女

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 【 白夜 】

恋人よ
その唇に
甘き吐息を重ねよう

永遠の時は
数えられないけれど
砂時計は刹那を刻む

明けない夜
ふたり魚になって
白い川を泳いでいく

愛染の
罪は深まりつつ
快楽は心を失くす

もう何処にも
逃げ場などない
針一本の隙間さえない

白い夜
ふたり重なり合って
波に揺られ溶けていく



 【 月の光 】

月の光に照らされた 
君の白い肌
強く抱きしめると 
壊れそうな細い肩
抱き寄せて 
両の腕(かいな)に包み込む

『 寂しかった…… 』 君はつぶやく
逢えないのが寂しいのではなくて 
私を忘れていたことが
『 寂しいの…… 』 君の瞳から
涙の雫があふれだす

月と星のように惹かれあっている
ふたりなのに
どうして君は 
そんなに不安がるのだろう

その桜色の耳たぶを 
強く噛んで僕のしるしをつけよう
たとえ逢えなくても
いつも僕が想っていることを
君が忘れないように 
その肌に刻み付けよう
重なり合った二人の吐息が 
夜の静寂(しじま)に溶けていく

今宵 君の涙で 
月の光が霞んでみえたなら
君の頬に優しくキスをして 
僕は君の寝息で静かに眠ろう



 【 告白 ~風のささやき~ 】

誰にも知られたくないんです 
午後の公園での出来事を

ベンチにならんで座っていた
ただ ふたり視線を外して
別のところを見ていた

あなたの言葉を待ちました
アポリネールの詩を3ページ読んだとき
あなたの呟きが聴こえて……
詩集から顔をあげたとき
そっと 頬に触れた唇の感触

あれは風のささやきかしら
あなたの優しい声に
桜色に染まる わたしの耳朶

それは静かな昼下がり
風が吹いて 詩集のページをめくる
白いパラソルが風に飛ばされ
ベンチで抱き合っている ふたりを
塀の上の黒猫だけが見ていた

誰にも知られたくないんです
あの告白は永遠の秘密だから


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-06-28 20:47 | 詩集 愛の言霊

詩集 愛の言霊 ⑪

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 【 デフォルト 】

あなたに逢えなくて
分かったことがひとつある
わたしの日常は
あなたを中心に廻っていたことを

トーストとハムエッグにサラダ
当たり前に並べられた朝食も
ひとりで食べると
なんだか味気ない
楽しく食べるのが食事であって
空腹を抑えるために食べるなら
単なる餌でしかない

この寂しさはあなたという
心の軸を失ったせい?

輝きを失ったわたしは
鈍色の惑星になってしまった
凡庸(ぼんよう)な日常の中にあって
主婦は輝くのだと
そのことに
――今 気がついた



 【 嘘つきゲーム 】

 わたしを傷つけないように
  あなたが優しい嘘をつく
   嘘だと分かっていても
    わたしは騙された振りをする
     あなたが まだわたしを
      愛していると信じていたいから
       ふたりの心を繋いでる
        嘘つきゲームは終われない



 【 sofa 】

お気に入りのsofaは 
仄かな光沢を放つ
手触りがよくて 
硬すぎず 柔らかすぎない
丁度よい弾力で 
わたしを包みこんでくれる
あまりの心地よさに 
甘美な夢に誘われそう
やっと手に入れた 
この安らぎ この力強さ
熱い想いがこみあげる 
もう止められない
わたしの心は 
あなたというsofaに
すっぽり囚われてしまった

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 【 むかえにいくよ 】

「むかえにいくよ」と
男がいう。
「きっと、むかえにいくから」
そう、いつも私にいうので、
「いつむかえにきてくれるの?」と、
訊いてみれば、
「ロトシックスが当たったら!」
大真面目に男が答えた。

夫がいる私を奪うのに……
そんな奇跡みたいなことを真剣にいう
この男が滑稽だ。
なぁ~んだ、その程度の想われ方かと
呆れてしまった。

私が怒り出すと、
ひたすら謝る。
拗ねると……
「愛している」とか調子のイイことをいう。
別れを切りだしたら、
「だって、俺たち友だちだろう?」
などと、私を煙に巻く!

――とにかく変な男なのだ。

しょっちゅう
用もないのに電話を掛けてきては
「寂しい」と泣きを入れたりして
甘えん坊さんだし
なんだか不憫な奴
但し、私の健康だけは心配してくれて
「事故・怪我には気をつけてくれよ」と、
そう、言葉だけはいつも優しい。

この年齢になったら、恋よりも
健康と年金の方が私にとっては重要な問題だ。
「むかえにいくから待っててくれ」
なんの根拠もなく、そんなことをいう男。
のらりくらりと私を縛る
毒にも薬にも成らない男だ。

だから、その珈琲は飲まずに
香りだけを楽しんでおこう。

――もう、そんな恋で十分なんだよ。



 【 恋患い 】

病気になりました かなり重症です
    身体が熱いんです 微熱があるみたい <のぼせ?
胸がドキドキして 心臓が苦しいの <ときめき?
    おまけに眼も悪くなって 周りがよく見えない <夢中?
些細なことで すぐ怒ったり泣いたりします <情緒不安定?
           せんせい これって病気ですか?

なかなか逢えないと 病気が進行しちゃうんです
    イライラして 八つ当たりしたり <欲求不満?
勝手に想像して 疑ってみたり <疑心暗鬼?
    自分はダメだと 落ち込んでしまって <自信喪失?
あげく投げやりになって 何もしたくなくなる <無気力?

       せんせい 効く薬ありますか?

ねぇ 分かってる? 世界中どこを探しても
    この病気を治せる名医は あなたしかいないってことを!


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-06-26 14:59 | 詩集 愛の言霊