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カテゴリ:花鳥風月( 4 )

月 ― 花鳥風月 ―

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               表紙は「四季の素材 十五夜」様よりお借りしております。
               http://ju-goya.com/


 【 月詠み 】

赤い月・青い月・黒い月
月はいろんな想いを映してくれる
わたしの心を捕えて放さない
あの月は魔物……


  赤い月
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男の背中ニ 爪ヲ立て
傷口から滴ル血で
夜の月ヲ 赤く染めル
背徳の赤い月ヲ見てはイケナイ
月の狂気が わたしヲ惑わス

『 愛は全てを奪うこと 』

熱く滾ル 生命の水ヲ
この身ニ注ぎ込ンデおくレ


  青い月

青白き月の夜
交ざり合えない『 コトバ 』は
ため息になって消えていく
封印された『 コトバ 』が
月の雫に融けていく

哀しみの月姫
玲瓏なる青き月の光よ
その冷たい横顔は
千の夜の孤独を越え
ひとり天上を目指し昇りゆく


  黒い月

自然破壊 環境汚染 
そして核戦争
望み過ぎた人類は 
自ら墓穴に墜ちた
科学の力で 
神に近づこうとする人類を
嘲り嗤うかのように 
神が罰を与えた
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草木は枯れ 水は干上がり 
空気は黒い毒ガスに
青い惑星は
生き物が死に絶え 
死の星になった
人類の累々たる屍が 
未来を呪って横たわる
地から這い出た蟲どもと 
貪欲な鴉が死肉に群がる

太陽は昇らない 
星々は瞬かない 
そこは常闇の世界
荒野を渡る風が 
引き裂くように啼いた
まるで地球の
断末魔の叫びのように 
人類の傲慢さに 
神は怒りの鉄槌を打った

人類の末路を
黒い月が見下ろしていた
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  蒼い月

漆黒の闇の中 
蒼い月が出ましたら
魔女の化身 
黒猫は月に嗤う
今宵 愛しい男に
呪いをかけませう
あなたを誰にも渡さない 
逃さない
どんなに足掻いても 
後戻りはさせないわ
月夜の接吻は 
何故か血の味がした

星屑も消え 
蒼い月は水面に揺れる
魔女の化身 
黒猫は月に啼く
今宵 
疵つけ合うように求めあう
あなたを恋い慕う 
この熱情は狂気となり
闇を引き裂き 
無限地獄へ堕ちていく
愛の刻印 
背中に深い爪痕を遺します


 【 月下美人 】

漆黒の闇の夜 
天上には燦燦と月は輝く
夜の華 月下美人は 
月に焦がれて
艶やかな花弁で 
ひと夜の恋に堕ちる

たとえ許るされない恋でも 
心に嘘はつけない
愛すれば愛するほどに 
この恋は苦しみに変る
今宵 苦い『 罪の杯 』を 
ひと思いに煽ってしまおう

どんなに間違っていても 構わない!
たとえ狂ってると云われても 構わない!
すべてを壊してしまっても 構わない!

あなたに 愛するあなたに 
触れていたい
愛を感じていたい 
それだけが生きる望みだから
儚き華 月下美人よ 
その哀しみをわたしは知る




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   創作小説・詩
by utakatarennka | 2011-11-24 18:24 | 花鳥風月

風 ― 花鳥風月 ―

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             「四季の素材 十五夜」様よりお借りしております。
              http://ju-goya.com/


 【 風葬 】

白い砂浜から そよそよ吹いてくる
こんな静かな風が 吹く日に
わたしが死んでいくのは相応しい

何も告げずに消えます
今なら 少しは泣いてくれますか?
愛し過ぎた男は 身体だけでは縛れない

風よ わたしの魂魄
愛しい人の元に運んでおくれ


あぁ 優しい風が頬なでる
穏やかな午後 ひとりで逝く
わたしを哀れと想ってくれますか?

いつか 終わる愛の終焉を見たくない
あなたに捨てられる わたしを見たくない
断てない未練で 苦しむのに耐えられない

小さなプライド守るために
小さな命を捨てるのは間違いですか?
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かすれいく 意識の中で
あなたの声を想い出そうしていた
ふたりの夜 肌のぬくもり忘れない

砂は風紋を描きさらさらと流れる
わたしの朽ち果てた肉体も やがて
砂となり風と共に地上を舞う

風よ この想い魂魄となり
愛しいあの人の心に宿りますように


 【 風 】

私の視線を微妙にかわす 
……あなた

その姿を執拗に追い求める 
……わたし
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獲物を狙うハンターのように 
……辛抱強く

あなたを捕まえて 
カーテンに隠れてキスをした

つぎの瞬間 
ふわりと身をかわし消えてしまう

あなたを繋ぎ止められない 
苛立ちに唇を強く噛む

あなたは風 
わたしの心を揺らして通り過ぎるだけ


 【 向い風 】

向い風が吹き荒れて
わたしを白線へ押し戻す
もがけばもがくほど
重くなったコートは
身体から熱を奪っていく
向い風いつの日か
そよ風に変わるだろうか

向い風が容赦なく
わたしを地面に叩きつける
嘲笑が聴こえてきた
込上げる怒りに
足元の砂を蹴り上げた
向い風に負けまいと
キリッと立ち向かう

向い風苦しくても
わたしは逃げない
それは正しさを
証明するためではない
すべてを見届けるまで
向い風に耐えて耐えて
わたしはここに居る




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   創作小説・詩
by utakatarennka | 2011-11-24 14:59 | 花鳥風月

鳥 ― 花鳥風月 ―

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            「四季の素材 十五夜」様よりお借りしております。
             http://ju-goya.com/


 【 小さな天使 】

小さな命が 
神に召されてしまった……
白い翼の小さな天使は 
わたしに幸せのカケラをくれた
籠を開けると 
ちょこんと手に乗ってくる
部屋の中をひと飛びすると 
わたしの肩に止まったね
その可愛らしい姿に 
いつも癒されていたのに……
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小さな天使を
死なせてしまった……
もう冷たくなって鳴かない 
固くなって動かない
あの日 泣きながら 
おまえを大地に埋めたよ
そこから空へお帰り 
大空には籠なんかないんだ
自由に空を飛びまわったら 
天国へと羽ばたいてお行き

愛らしいおまえは 
わたしの小さな天使だったよ


 【 鴉 ― crow ― 】

市街地の道路の隅に 
転がる猫の死体
それに群がる鴉たち 
餌に有りつけたとばかりに
黒い嘴でひき裂き 
死体をむさぼり喰らう

死肉は鴉の胃の腑で 
甘美な果実に変わる
狡猾な脳 強靭な生命力 
邪悪な黒い魔物 
血に染まった嘴で 
一羽の鴉が天を仰いで鳴いた

蒼穹の空を舞う 
黒い翼の支配者たちよ
その眼に映るのは 
累々たる人類の屍なのか 
滅びの運命カタストロフ 
警鐘は打ち鳴らされり


 【 翼 】
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大空に心を飛ばそう
美しいコトバを追いかけて
風船のようにふわふわ漂いながら
心の中に綺麗な模様を描く
それは私だけのオリジナル
私には 『 創作 』という翼がある

誰にも理解されなくて傷ついたことも
酷い誹りに涙を流したこともある

『 正しさ 』は数の力だろうが
『 真実 』はひとりでも証明できる
ほんの小さなため息で
心の翼は萎れてしまうから
自分 もっと強くなれ!
私には『創作』という夢がある




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   創作小説・詩
by utakatarennka | 2011-11-23 14:58 | 花鳥風月

花 ― 花鳥風月 ―

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                「四季の素材 十五夜」様よりお借りしております。
                 http://ju-goya.com/


 【 さくら 】

凍てつく季節を
乗り越えて
うす桃色 春の息吹 
ふたりはいつも
想い合う気持ちで繋がっている
さくら心に咲いた

愛することは
認め合うこと
惹かれ合うこと
信じ合えること
心をあなたに委ねたから
寂しさに泣いた夜はもう来ない
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想いを込めたさくら
春風に舞いあなたを包む
永遠の時を数え
その想いは深い
あなたの姿見失わないように
さくら散らさない

わたしのさくら
あなたのために咲く
あなたという光溢れる季節に
出会えた喜びに咲く
愛しい人よ
さくら満開に咲き誇る


 【金木犀 】

夕暮れの街 自転車で走っていく
     わたしの頬を 少し冷たい秋の風が撫でていく
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金木犀の甘い香りが 風に運ばれて来た
     不意にあなたの面影が 心に浮かんだ

思い出すのが辛くて 忘れられない想い出
     憎むことで あなたに執着し続けた

『 もう 許してあげなよ 』 心の声が聞こえた
     あなたがわたし以外の人を 選んだ事実に変わりはない

夕暮れの街 零れ落ちた涙の雫を
     金木犀の風が 空高く舞い上げる

もう あなたのことを忘れよう そして……
     明日から 新しい自分の一歩を踏み出そう


 【 小さな花 】

小さな花が咲いていた 
街路樹の植え込みの片隅で
ひっそりと人知れず咲いていた
ある日 ひとりの青年が立ち止まった
小さな花を見つけて 
しげしげと眺めてこう言った
『 ああ、なんて可愛い花なんだろう 』 
にっこりと青年は微笑んだ

小さな花は驚いた 
こんなわたしを見つけて
可愛い花と言って
あの青年は微笑んでくれた
初めて存在を見つけられて
小さな花は嬉しかった
 
その日から あの青年のために
咲き続けようと誓った
小さな花は毎日々
雨の日も風の日もずっと待ち続けた
あの青年が 
もう一度 わたしを見て
にっこりと微笑んでくれるのを!
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風のように 小さな花の前を 
自転車が颯爽と走り抜けた
あの青年だ! 
その瞳は真っ直ぐに未来を見つめていた
足元の小さな花など目もくれない 
もう存在すら忘れ去っている  

  『 わたしをあなたの手で引き抜いて 
    道端に投げ捨ててください!   』

そう叫ぶと小さな花は 
悲しみに萎れて枯れてしまった

次の年から 
その場所に小さな花は咲かなくなった……


 【 月見草 】

月見草
月を慕いて
其の掌を
天に延ばす

切ない想い
蒼き月の雫
哀しみに
花びら濡らす

月見草
闇に恋して
朝日に萎れる
黄檗色で嗤う人  

        ※ 黄檗色(きはだいろ) ― 薄い黄色
 

【 たんぽぽ 】

あなたのそんな言葉で
わたしを縛ることなんか
できないわ
優しくされたって
あなたの自由にならない

わたしの心はわたしのもの
いつも自由でいたいから
だから あなたの手を
そっと払うの

たんぽぽのように
無邪気なわたしの恋は
春一番が吹いたなら
ふわりと綿毛になって 
大空に飛び立つ

ゆらゆらと春風と
ワルツを踊りながら
軽やかなステップで
光降りそそぐ その場所へ

今 舞い降りる


 【 花束 】

疲れたあなたの心を
わたしの詩(うた)が癒すのなら
この想いを詩にしよう
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詩はわたしの使える
唯一の魔法だから
あなたのために使おう

凍てついた心を
あなたが包み込んで
優しく溶かしてくれたから

わたしはあなたの
掌の温もりを知らない
心の温もりなら知っている

触れられなくても
伝わるものはあるんだ
この想い詩にして伝えよう

感謝の気持ちリボンで結んで
わたしの詩を花束に変えて
あなたの心に届けましょう

   『 As far as there is love
     This bouquet does not die 』




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   創作小説・詩
by utakatarennka | 2011-11-23 10:37 | 花鳥風月