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カテゴリ:ストーリーポエム 恋愛事情( 12 )

June

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 【 June 】

6月の空は雨ばかり
僕の部屋は空気まで 
湿気で重くなっている

雨垂れの音を聴きながら
携帯を開いて君からの
メール読み返しているんだ

いつか君が僕の部屋に
忘れていったガラスの靴
手に取ってながめているよ

6月生まれの君は
眩しい笑顔と優しい言葉で
いつも僕を包んでくれる

憂鬱な僕の心を充たすのは
こんな雨粒じゃなくて
君の笑顔だったらいいのに

今すぐ君に会いに行こう
傘はいらない 雨雲なんか
吹き飛ばしてしまうから

君の笑顔は 僕の青空



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  写真は[無料写真素材サイトPAKUTASO]様よりお借りしています。 http://www.pakutaso.com/


   創作小説・詩
by utakatarennka | 2013-06-04 06:29 | ストーリーポエム 恋愛事情

小さな花

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 【 小さな花 】

小さな花が咲いていた 
街路樹の植え込みの片隅で
ひっそりと人知れず咲いていた
ある日 ひとりの青年が立ち止まった
小さな花を見つけて 
しげしげと眺めてこう言った
『 ああ、なんて可愛い花なんだろう 』 
にっこりと青年は微笑んだ

小さな花は驚いた 
こんなわたしを見つけて
可愛い花と言って
あの青年は微笑んでくれた
初めて存在を見つけられて
小さな花は嬉しかった

 
その日から あの青年のために
咲き続けようと誓った
小さな花は毎日々
雨の日も風の日もずっと待ち続けた
あの青年が 
もう一度 わたしを見て
にっこりと微笑んでくれるのを!

風のように 小さな花の前を 
自転車が颯爽と走り抜けた
あの青年だ! 
その瞳は真っ直ぐに未来を見つめていた
足元の小さな花など目もくれない 
もう存在すら忘れ去っている  

  『 わたしをあなたの手で引き抜いて 
    道端に投げ捨ててください!   』

そう叫ぶと小さな花は 
悲しみに萎れて枯れてしまった

次の年から 
その場所に小さな花は咲かなくなった……



 ※ 写真はネットの友人ナイトウインドさんから頂きました。

  創作小説・詩
by utakatarennka | 2013-05-24 06:57 | ストーリーポエム 恋愛事情

草枕

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           【139枚】PCの壁紙にしてる画像が集まるスレhttp://vip.2chblog.jp/archives/26146089.html



 【 草枕 】

歩き疲れた道
俺はなにを見てきたのか
移りゆく季節の中で
ただ 悔恨だけが胸に残っていた

あの町は変わっていないか
君の淹れたコーヒーが飲みたい
若き日の戯れのような恋は
甘い思い出を俺に残してくれた

草を枕に大地に抱かれて
天を見上げ 星の数をかぞえれば
君の唄が聴こえてきて
望郷に心が痛い

静かに目を瞑れば
夢の中まで君が出てくる
まだ帰れない
君の町には帰れない……

なにも見つけられないままに
月日は悪戯に過ぎてゆく
君の柔らかな髪の匂い 愛した人よ
まだ 俺は旅の途中なんだ



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2013-05-19 06:00 | ストーリーポエム 恋愛事情

仔猫

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   写真はNAVER画像検索よりお借りしました。http://search.naver.jp/image?q=%E7%8C%AB&sm=sbx_sug.image&sme=4


  【 仔猫 】

もしも…… 
この世に魔女がいたなら
その魔法で わたしを仔猫に変えて
その代償は 仔猫の魂? 
それでもかまわない!

雨のふる秋夕暮れに 
仔猫はあなたに拾われる
その胸にそっと抱かれて
あなたのお部屋につれてって

温かいミルクを与えられ 
優しくなでられて
あなたの膝で
まどろんでいく仔猫

寒い冬も 
あなたといっしょなら
仔猫は幸せいっぱい
あなたのあとをおいかけて 
足元でいつもジャレている

夜眠るあなたの 
寝息に耳を傾けながら
あなたが好きよ 
そっと囁く仔猫

やがてドアの向うに 
新しい季節が始まり
優しい春の風が 
あなたをさらっていく

足元の仔猫に 
もう気づいてもくれない
どんなに叫んでも 
鳴き声はあなたに届かない

悲しみに打ちひしがれ 
泣き疲れた仔猫は
お部屋の片すみで 
魂をなくし冷たくなっていく

その魂は 
魔女のモノとなり
永劫の闇を彷徨う
哀しい仔猫の物語


   創作小説・詩

   
by utakatarennka | 2013-05-05 20:58 | ストーリーポエム 恋愛事情

告白 ~風のささやき~

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   おしゃれでかっこいい壁紙サイズの画像集【PC Wallpaper】からお借りしました。http://matome.naver.jp/odai/2130176743667455101


 【 告白 ~風のささやき~ 】

誰にも知られたくないんです 
午後の公園での出来事を

ベンチにならんで座っていた
ただ ふたり視線を外して
別のところを見ていた

あなたの言葉を待ちました
アポリネールの詩を3ページ読んだとき
あなたの呟きが聴こえて……
詩集から顔をあげたとき
そっと 頬に触れた唇の感触

あれは風のささやきかしら
あなたの優しい声に
桜色に染まる わたしの耳朶

それは静かな昼下がり
風が吹いて 詩集のページをめくる
白いパラソルが風に飛ばされ
ベンチで抱き合っている ふたりを
塀の上の黒猫だけが見ていた

誰にも知られたくないんです
あの告白は永遠の秘密だから






   創作小説・詩
by utakatarennka | 2013-03-21 02:16 | ストーリーポエム 恋愛事情

木枯らし

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(写真は[【1920×1080】 クールで かっこいい壁紙 900+ 【フルHD】] 様よりお借りしました。http://matome.naver.jp/odai/2133583394265151801?page=2)

【 木枯らし 】

( 男の子の言い分 )

いつもの通学路
冷たい木枯らし ふたりの頬を打つ
僕の指先 ポケットで凍えてる

触れようとのばした 僕の掌を
君が冷たく払いのけたから
ポケットの中で コブシになった

木枯らし冷たいよ
君の肩を抱けたら
ふたりで温まれるのに

不機嫌なキミは
足元でカサカサ舞う 枯葉を
じっと見詰めたままで
一度として 目線を合わせない

木枯らし冷たいよ
君が泣いてくれたらいいのに
そしたら僕が謝れるんだ

君の頑な態度が 僕を苛立たせる

きっと僕がメールを送って 
君が無視して
それを僕が怒って 
ふたりの恋は終わりかな?

木枯らし冷たいよ
君の心に触れられない
もうすぐクリスマスなのに

僕はひとりぼっちなのかな……

*

( 女の子の言い分 )

木枯らしなんか寒くない
アタシの決意は変らない

いつも同じ文句のメール
優等生の君は 誰にでも優しい 
アタシでなくてもイイんじゃないの?

もうウンザリだよ 
ツマンナイよ そんな恋は
君の心 いつもよそ見してるんだもん

さっきアタシに 触れようとしたから
払い除けたら そのままその掌を
ポケットにそっとしまっちゃった

いつも君はそうなんだ
そうやって すぐに引いてしまう
ねぇ どうして怒らないのよ!

そしたらアタシ泣けるのに
きっと素直になれたのに
もっとアタシの心に触れてよ!

木枯らしなんか寒くない
明日 髪を切りに行くんだ
春までにはきっと伸びてるから

今年のクリスマスどうしようかな?




glitter-graphics.com


   創作小説・詩
by utakatarennka | 2012-12-15 06:29 | ストーリーポエム 恋愛事情

月の光

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(フリー素材 [ 四季の素材 十五夜 ] 様よりお借りしました。http://ju-goya.com/)


           
 【 月の光 】

月の光に照らされた 
君の白い肌
強く抱きしめると 
壊れそうな細い肩
抱き寄せて 
両の腕(かいな)に包み込む
『 寂しかった…… 』 君はつぶやく
逢えないのが寂しいのではなくて 
私を忘れていたことが
『 寂しいの…… 』 君の瞳から
涙の雫があふれだす

月と星のように惹かれあっている  
ふたりなのに
どうして君は 
そんなに不安がるのだろう

その桜色の耳たぶを 
強く噛んで僕のしるしをつけよう
たとえ逢えなくても
いつも僕が想っていることを
君が忘れないように 
その肌に刻み付けよう
重なり合った二人の吐息が 
夜の静寂(しじま)に溶けていく

今宵 君の涙で 
月の光が霞んでみえたなら
君の頬に優しくキスをして 
僕は君の寝息で静かに眠ろう



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2012-09-16 20:03 | ストーリーポエム 恋愛事情

愛しい女

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 【 愛しい女 】

『 もう帰らないと…… 』
携帯の時計を見て君が言う
部屋の明かりをつけて 僕はシャツに袖を通す

家族に急いでメールを打つ君の横で
僕は煙草を1本 ゆっくりと深く吸う

ふたりの逢瀬は いつも時間に追われてる
君をひとり占めできない 僕の心は宙ぶらりん

『 いつか一緒に暮らそうね 』君は優しく笑う
それは年下の僕への慰めなんだろうか

塗りたての口紅で サヨナラのキスをする
君の唇は甘い雫 ちょっぴり罪の味がした

ドアを後ろ手に閉めて ホテルの部屋から
足早に去る君を 『 愛しい女 』と僕は呼ぶ



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2012-09-16 19:58 | ストーリーポエム 恋愛事情

エロスとタナトス

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写真素材 FREE PHOTO 1.0 ▼ A Fötos 様よりお借りしました。
             http://www.gatag.net



肩に掛かるキミの髪をかきあげて
白いうなじにくちづける
甘い女の匂いがした
潤んだ瞳で切なげにボクを誘う
やがてその身をまかせ
ボクはその肌で儚い夢をみるのだろう
たとえ許されない恋でも
快楽だけの愛でも
ボクはキミの海に溺れている
この愛は痛みにも似た苦しみ
エロスとタナトス……

  『 愛はすべてを奪うこと
        そして支配すること 』


ずっと年上のキミは
ボクと同じ刻(とき)を生きられない
ふたりの間に横たわる河を
ボクは渡っていけるのだろうか
時間(とき)がキミを汚さないうちに
美しいままのキミを奪ってしまい
そして心のネガに焼き付けよう
永遠に色褪せないように
ボクの愛する人を
この手で冥界へさらっていきたい
エロスとタナトス……

  『 死は美しき崇拝
        そして完全なる終焉 』




   創作小説・詩
by utakatarennka | 2012-03-27 07:34 | ストーリーポエム 恋愛事情

黄色いガーベラ

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 【 黄色のガーベラ 】

花屋の店先に 季節の花が並んでいた
ふと 足を止めて僕は見入ってしまう

花が好きな君のために 小さな花束を買って 
週末のデートには いつも贈ってあげたね

嬉しそうに受け取ると 顔を寄せて香りを嗅ぐ
無邪気な君の笑顔が好きだった 今でも覚えているよ

あの日 最後の花束は黄色いガーベラだった
それを僕に投げつけて 『 さよなら 』って言ったんだ

訳も分からず立ち尽くす 僕を残して……
振り向きもしないで 君は行ってしまった!

何がそこまで 君を激怒させたのか分からない
僕は深く傷ついて 理由を聞くことすらできない

あの時のこと 僕は忘れないよ
君を忘れる日まで 僕は君を憎み続ける

そう 君を憎んで 憎んで 憎んで……
また ずっと君が好きになっていくんだ



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2012-03-07 08:16 | ストーリーポエム 恋愛事情