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カテゴリ:心詠(しんえい)( 66 )

三日月ナイフ

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 【 三日月ナイフ 】

三日月ナイフで
心臓に小さな穴をあける
そこから噴きでた
真っ赤な血で朝焼けを染めたい

滔々と流れる雲も
燦々と輝く星も
形容詞ばかりで
ツマンナイ

刺激が欲しい
パッションが欲しい
三日月ナイフで斬り裂け
ハラワタを抉り出せ

きっと
きっと
きーっと、

待っていれば、
天からミューズが舞いおりて
ストンと、
「霊感」が落ちてくる

――ああ、こんなものかと、

次は、
頸動脈で
ナイフの切れ味を試すのです


   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-11-23 09:30 | 心詠(しんえい)

スマホと女の子

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 【 スマホと女の子 】

公園に若いお母さんと小さな女の子がいた
お母さんはベンチに座ってスマホをいじっている
女の子は傍をちょこまか歩きまわる

女の子がお母さんに話しかけても
お母さんはスマホに夢中で返事をしない
女の子がお母さんに手を振っても
お母さんはスマホの画面しか見ていない

つまずいて転んだ女の子は
ママー ママー と泣きながら呼んだ
すると、スマホを片手に持ったまま
女の子を抱き起こして
またベンチに戻ってスマホをいじっている

 わたしは駆け出して
 母親からスマホを取り上げたかった!

たれ流しの情報をみるために
親子の大事な時間を捨ててしまった
まるで魂を吸いとられるような
スマホというコトリバコ

あなたが見守ってあげなければならない
かけがえのない命なのに
それでもスマホの方が大事ですか?



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-11-22 09:30 | 心詠(しんえい)

レジリエンス

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写真素材を無料(フリー)で配布しているストックフォトサービス
「ぱくたそ」よりお借りしました。http://www.pakutaso.com/



 【 レジリエンス 】

誰かの溜息で
紅く染まった紅葉
風に巻き散らされて
紅い絨毯が敷き詰められた
一歩 歩む度に
カサッ カサッ 
と、小さな悲鳴を上げる
その一枚を拾って
空に翳してみれば
紅い残像が
瞼の裏に焼きついた

季節を追うと
遠くへ 遠くへと
逃げていってしまうから
この寂しさは
何処へ捨てにいこうか

静謐な秋の日に
掌の中で光を放つ
朱色の実が甘く熟れてゆく
季節はいく度も再生しながら
真っ白に純化する
気持ちひとつで
寒い季節も越えていけると
折れない心
拳を握り
空を見上げて
雲の行方は風に訊けばいい



   ブログ
by utakatarennka | 2014-10-11 11:17 | 心詠(しんえい)
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 【 紆余曲折(うよきょくせつ) 】

自分で敷いた道がある
凸凹道で思うように進めない
曲がりくねった迷路の道で
迷ってばかりいる

ぬかるんだ道に
足を取られて転んだこともある
途中で立ち止まり
天を仰いで溜息を吐いた

もう嫌だ!
足元の石を蹴飛ばし大声で叫んだ
自分で敷いた道なのに
こんなに苦しいとは思わなかった

自惚れでも 
ナルシストでも 
馬鹿だといわれても
自分の才能に惚れるしかない

歩いてきた道程だけ
成長したのだと信じたい
まだ自分を諦めてはいない
紆余曲折しながら創作の道を進む



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-09-27 11:03 | 心詠(しんえい)

私の化粧履歴

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《女子向け》おしゃれ画像集 http://matome.naver.jp/odai/2132607667028844701



 【 私の化粧履歴 】

ちょっと長いけれど
暇だったら聴いてください


私は小学校五年の頃 
お化粧に興味を持ちました
鏡台に姉の化粧品が入っていたので
ある日 赤い口紅を塗って
三面鏡に映った自分を見ていたら
外から姉が帰ってきた気配がしました
急いで 服の袖で口紅を拭き取り
慌てて 口紅のキャップをしたら
先が出たままで口紅が折れてしまった
えらいことをしたと思ったが……
姉には黙っていた
翌日 折れた口紅を見て姉は首を捻っていた
――本当のことを言えないまま 月日が流れて 
姉は鬼籍に入ってしまった 
今さら遅いけど……
ゴメンなさい 私が犯人でした


卒業が決まった高三の冬 
体育館に女生徒たちが集められた
これから社会人になる私たちに
資生堂の美容部員さんがやってきて
お化粧の方法を丁寧に指導してくれました
その時 配布された 
頬紅やアイカラーの入ったパレットが
私のお化粧スターターキットだった


社会人になって 
お給料を貰うとその足で
すぐに買いに行くのが化粧品だった
市場の中にある化粧品屋のおばさんに
あれがいいよ これもいいよ
と進められるままに買わされた
初めての化粧品メーカーは
今は零落した『カネボウ』でした


その後 大人の女へと成長した私
お化粧も上手くなり 若さと相まって
ちょっとは可愛くなったと思う(自画自賛)
アイライナー マスカラ マニキュア 香水――と 
二十代 三十代 私のメイクはフル装備だった!
化粧品も海外メーカーを使うようになった
シャネルの口紅は18番(廃番)のローズレッドが好きでした
有名ブランドの化粧品をデパートで選ぶのが
女のステータスだと思っていた


   眉が太くなったり 細くなったり
   口紅が濃くなったり 薄くなったり
   髪の色も明るくなったり 暗くなったり

   時代と共に化粧は変化していった

   新しい恋をする度に
   また恋人が変る度に
   私は化粧のやり方を変えていた



出産のために里帰りしたら
母が私の口紅が赤過ぎると文句をいう
これから子を産んでお母さんになる女が
そんな赤い口紅を塗ってはいけないと叱られた
そうか お母さんは女を主張してはいけない
お母さんは女じゃない?
だから 子育て中は化粧を控え目にしていたが……
そのまま ズボラになって化粧がおざなりになってしまった
そこからオバサン化が始まったようだ


今はもう若くないので
お化粧は身だしなみ程度になった
気軽に買えるドラックストアで
トイレットペーパーと一緒に化粧品も購入
安くて品質が良ければいいのだ
私の化粧履歴は
デキの悪い顔をきれいに見せたいと
あれこれ思考錯誤しながら辿った女の人生絵図
けど美容整形までしたいとは思わなかったなあー
拭き取れば また元の自分の顔に戻れる
お化粧が好きなんだ!


   今でも
   新しい口紅を選ぶ時の
   あのトキメキだけは忘れたくない

   女は死ぬまで
   美しく在りたいと願う生き物です――




   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-09-18 10:29 | 心詠(しんえい)

指さす人

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 【 指さす人 】

虚空に向けて指さす人
その指先は何を示す
道標
明日の空
去っていった人の背中

夏の香りを衣装箱にしまい込み
スマホの写真を整理
一つ 一つ
削除しながら
思い出にサヨナラを告げて

消さなければ
先には進めない
失くしたものは還らないから
浜辺の砂を詰めておこう
そんなの強がりだって
分かってるけど

季節は変わった
陽に焼けた髪を
秋の風が弄んでいく
指さす先に
未来が始まろうとしている



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-09-09 21:38 | 心詠(しんえい)

バトンタッチ

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これは以前ネットで見つけた。不思議な「たまゆら」の写真です。



 【 バトンタッチ 】

盆を過ぎると
道端のあちこちに
蝉の死骸が落ちている
干乾びて塵同然

役目を終えた蝉たちに
弔いはない
墓もない
けれど残していった
ものがある

未来の夏には
また喧しく
蝉が鳴いているだろう
命を繋ぐバトンタッチ

この夏が終わった――


   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-08-23 11:33 | 心詠(しんえい)

バランス

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フリー画像素材 Free Images 2.0 by:tanakawho 様よりお借りしました。http://free.gatag.net/




 【 バランス 】

わたしと彼は
必要以上に
相手を干渉しないことで
バランスを保っている

言いたいことを言わない
訊きたいことも訊かない
分かっていても黙っている
そんな風に
相手に対して深入りしない
常に「他人」という境界線を引いて
そのラインを犯すことはしない

孤独だと思うだろうが
孤独こそが生きもの本来の姿
気にしない
わたしは今までの人生で
誰かに「依存」しないことが
一番傷つかない
生き方だと学んできた

わたしと彼は
そういう不文律で
夫婦という
バランスを保ってきた




   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-08-11 10:16 | 心詠(しんえい)

昼寝日和

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【壁紙】 夏! 風鈴の壁紙 【納涼】http://matome.naver.jp/odai/2133937596886560901



 【 昼寝日和 】

窓を這う
ゴーヤの日除けに
蝉の声

首に巻いたタオルで
額の汗をふく

夏の昼下がり

冷たい麦茶と
熱を帯びた風
微かに揺れる風鈴

涼しい場所を探して
寝御座と竹枕

夏の昼寝日和





  ↓ 涼しげな風鈴の音色をどうぞ♪


   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-07-23 10:24 | 心詠(しんえい)

思考する夜に……

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【壁紙】夏にぴったり!さわやかな海、ビーチ、水辺のデスクトップ画像(青、水色、ブルー系)http://matome.naver.jp/odai/2134136325165475501



 【 思考する夜に…… 】

夜の静寂(しじま)が
私を思考へと誘う
仄暗い豆球がシーツの海を照らして
波打ち際には夜光虫のように
ラメ入りマニキュアが光るから

私の思考回路は小舟に乗って
大海原へと漕ぎ出した

困惑島 躊躇島 懊悩島と
悩める小島を巡って行きましょう
それらの島を遊覧船のように
行ったり来たりと堂々巡り
明快な答えが出ないままに

思考は交錯して
混沌岬の沖で座礁しまった

岩礁からセイレーンの
美しい歌声が聴こえてきたら
意識が朦朧とし始めて
ついに深海へと
思考の小舟が沈んでゆきます

柔らかな枕が私に
こっちにおいでと誘惑するから

  ……この思考は明日また考えよう



   創作小説・詩
by utakatarennka | 2014-07-19 17:40 | 心詠(しんえい)