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カテゴリ:心詠(しんえい)( 30 )

心詠(しんえい) 30

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 【 ノスタルジック 】

いつの間にか
遠くまで来てしまったと
振り返ってみたら

――そこは知らない街だった

懐かしい駄菓子屋さんがあった
買ったばかりのお菓子を
口にくわえた子どもたちが
お店の前でメンコや縄とびをして
賑やかに遊んでいる

夕暮れが近づくと
遠くの方からお豆腐屋さんの
プオォー プオォー
どこか調子外れな
ラッパの音が聴こえてくる

遊び疲れて帰る道すがら
家々の軒からは
夕餉の匂いも漂ってきて
あ、カレーライスだ!
こっちの家はすき焼きか?
いいなぁー

よその家の晩ごはんの
おかずを鼻で当てたりしていたら
グゥーーー
お腹が大きく鳴った

――早く帰ろう。わたしのお家へ

友情 根性 勝利

そんな言葉が大好きだった
テレビ漫画の主人公たちの
不器用な生きざまを
カッコイイと懸命に声援を贈っていた
あの頃の子どもたち

戦争 高度成長期 オイルショック

いろんな試練があったけど
ぜんぶ乗り越えてきたから
私たちの未来は
もっと輝いているだろうと
そう思っていた

努力すれば報われる
頑張れば認められる
幸せに向かって邁進していると
信じて疑わなかった
どんなに苦しい時でも
夢は捨てなかった

――そんな時代を、私たちは歩いてきた

ああ、恋しいなあ
もう巻き戻しせない
昔日の【 昭和 】という時代

もう一度振り返ったら
想い出がいっぱい詰まった
あの家が見えてきた
玄関のガラス戸を
ガラッと開けて

「ただいま」
と言ったら
「お帰りなさい」
って応えてくれるかな?



 【 クリーンアップ 】

モヤモヤする 私の頭の中を
デッキブラシでお掃除しましょう

いやな記憶 恥かしい失敗

ゴシ ゴシ ゴシ……

劣等感 焦燥感

ゴシ ゴシ ゴシ……

ひがみ ねたみ 猜疑心

ゴシ ゴシ ゴシ……

全部まとめて ゴシゴシしたら
雑念が洗い流されて 心が軽くなった

新しい自分に生まれかわろう!

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 【 コトバの花束 】

恋をしていた頃
わたしはいっぱい詩をかいた
恋しい気持ちを
切ない想いを
激しい嫉妬心を……

わたしの感情は
コトバとなり広がっていった
色を帯びて美しく咲いた
コトバの花束だった

恋をしていない今
わたしの心の泉は枯れている
恋の喜び 恋の苦しみ
イメージするコトバが出てこない
恋の花は萎んでしまった

けれども心は平穏なのだ
また時々は思い出して
その香りを嗅いだら
心のクリスタルガラスに挿しておこう



       【 この世に…… 】

     この世に……
 
     自分を必要とする人が
     誰もいないってことに
     気がついたら
     もう
     人は死ぬしかないでしょう

     それじゃあ
     生きていたって仕方ない
     存在の意味はなく
     それでも
     生きいなくてはいけませんか



 【 青むし 】

一匹の青むしが
道路を横断している
ゆっくりと
ゆっくりと
(小さな青虫だから)
這っていく

きっと
道路を渡りきってしまう前に
あの青むしは
車に轢かれてしまうだろう

それでも
アスファルトの上を
ゆっくりと
ゆっくりと
(何ら躊躇なく)
這っていく

渡り切った先に
いったい何があるのか
そこへ辿りつくには
あまりに危険だというのに

一匹の青むしが
ひたすら道路を進む
ゆっくりと
ゆっくりと
(未知の世界へ)
這っていく


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-09-02 13:15 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 29

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 【 祈り 】

2011年3月11日14時46分18秒
日本に未曾有の地震が襲った

東日本大震災と大津波

大地が大きく揺れた時
海が牙を剥いて 襲いかかった
無慈悲にも 多くの人々が海へと
引きずり込まれていった

死者 1万5854人
行方不明 3155人
避難者 34万3935人
がれき 3県で2253万㌧

ああ なんて酷い数字なんだ

もしも 悲しみを数字で表せるのなら
こんな少ない数字では
到底 表し切れないだろうが……

大震災から一年
遅々して進まぬ復興に言い訳ばかりのお役人
人々の心の傷はどこまで癒されたというのか?
時間が経てばどうにかなるなんで嘘だ!
どんどん問題は累積されていく

震災関連死 1479人
死のギロチン台への行進はまだ終わっていない
震災を想う時 この国のリーダーたちの
無能ぶりに腹が立つばかりなのだ
派閥も権力も捨てて なぜ全力は尽くせない?

宮城県南三陸町で
最後まで防災放送しながら
津波に呑まれて 亡くなった女性職員の

「6メートルの津波がきます。避難してください」

あの命を懸けた
呼び掛けの声が聴こえないのか!

大震災から一年経った今
人々の心に大きな傷痕を残して
未来に絶望的な数字を突き付けている
膨大な瓦礫の下に埋まっているものは
多くの人々の想い出と生きた証だった

いつの日にか
瓦礫の下から命の息吹が芽吹くだろうか

 ― 本日14時46分 ―

東日本大震災で犠牲になられた方々に
哀悼の黙とうを捧げよう

天国のみんなに
この祈りが届きますように

           黙とう



 【 桜アルバム 】

多くの季節を生きて
わたしは幾度も春を迎えてきた
そして 毎年
いろんな桜と出会っている

真新しい制服に身を包み
新たな出会いに心躍らせて
踏みしめるように校庭を歩けば
薄桃色の花びらが
ひらひらと肩に舞い落ちてくる

たぶん初めての恋だった
恋人と呼べる その人と手を繋いで
一緒に見上げた 夜桜は
月に照らされて 白く光っていた
まるで夢見るような桜の樹だった

あなたを亡くした春
近所の公園に咲いた 満開の桜に
足を止め 独り佇んで見惚れていた
こんなきれいな桜を お母さん
あなたにも見せてあげたかった
――と思った途端に涙腺が緩んだ

人の記憶は日々遠くなっていくけれど
毎年 春になれば
桜は忘れずに 必ず花をつける

百年 二百年……
長い時を生きる桜の樹だから
世の移ろいなど取るに足らぬこと
震災の瓦礫の中でも桜は見事な花を咲かす
まるで宿業のように

その年の感慨に触れて
桜の花びらは様々に変化していく
もう一度 桜が散る前に
そっと掌の中に この想いとともに
閉じ込めてしまおう

今年の桜も
心のアルバムに貼り付けておこう

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      【 リズム 】

     リズムをみつけよう
     心地よいリズム

     ゆっくりと歩もう
     自分に合った速度で

     いろんな街の匂いを
     風が運んでくるから

     時々立ち止まっては
     立ち位置を確かめる

     胸を広げて深呼吸
     足の裏に力を込めて

     今日も一歩一歩
     確実に前進していく



 【 無名人 】

私は無名人
誰も私を知りません

犯罪でも起こしたら
有名人になれるでしょうか?
いえいえ
そんな度胸はありません

道を歩いていたら
犬に吠えられた
私の存在を気にするのは
犬ぐらいなもの

私は無名人
何の取り柄もありませんが
Twitterのフォロワーの
人数だけが自慢です

     ※ Twitterのフォロワー数、現在7,163人です。



 【 熱帯魚 】

ある日
水槽の中で泳ぐ
熱帯魚が
テレビに映った
青い南の海をみた

こんな狭い
水槽の中では
すいすい泳げない
テレビに映った
広い海に憧れて

ここから
逃げ出そうと
ジャンプしたら
水槽の外へ
飛び出してしまった

飼い主は
床で死んでいた
熱帯魚を拾い上げて
水葬だといって
トイレの水で流した

下水から
広い海へ還った熱帯魚の魂は
青い南の海を目指して
すいすい泳ぐのだ


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-09-02 12:37 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 28

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 【 井戸の中 】

小さな世界の中で
自己満足という
落とし穴に嵌り込んでいた

仄暗い穴の中では
自分の声しか聴こえてこないから
これが世界のすべてだと
信じてきっていた

たぶん
わたしは小さな蛙
井戸の底から太陽を見上げて
その眩しさに
水中深く沈み込んでいく

だって 潮水はしょっぱくて
涙が止まらなくなるから
大きな海には出られない

臆病な蛙は
ぬるま湯みたいな
井戸の中で
ちっちゃな夢だけ抱いて
それに満足していたら

たった一匹で
殿さま蛙になっていた――



 【 二足歩行 】

こんな記事を新聞で読んだ

アフリカ・ギニアの森で
野生のチンパンジー11頭に
普通の餌「アブラヤシ」と
普段は手に入らない旨い餌「クーラ」を与えて
食べる行動を観察した

「アブラヤシ」場合は
仲間同士で分け合って食べたが
普通の餌の中に「クーラ」を少量を混ぜたら
両手と口で「クーラ」だけを確保すると
チンパンジーは二足歩行で
仲間から離れた場所へ移動して
木陰に隠れて一匹で旨い餌を食べていた

その時 チンパンジーは
旨い餌「クーラ」をより多く運ぶために
両手が使える二足歩行になったのだという
旨い餌の場合は二足歩行の頻度が四倍にも増えた!

どうやら
これが猿から二足歩行の人類に進化した
直接的な動機ではないかというのが
人類学者が唱えていた仮説だった

要するに人類の先祖は仲間に隠れて
旨い餌をこっそり食べようとする
「意地汚い」根性から
二足歩行という進化を遂げたということになる

なんとも恥かしい進化理由ではあるが
食べ物に対する執着=生命力
と考えればこれは逞しい限りである

そして 私は冷蔵庫に隠して置いた
最後のシュークリームを
家族のいない時間帯を見計らって
こっそりと食べている

やはり「意地汚い」猿のDNAを受け継いだせいか?

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 【 キズナ 】

キズナってなぁに?
糸なの? ヒモなの?
それとも頑強な針金か?

ちがう ちがう!
そんなもんじゃ人の心は繋げない

きっと 柔らかくて 温かくて
気づかない内に繋がっていた
あると安心できるんだ

アロンアルファみたいに
一度くっつくと
ずっと離れないもの

きっと
それがキズナなんだよ



 【 コンパス 】

てきとーな距離をおいて
まぁるく描いた 輪っかの中に
わたしが丸々入ってしまっている

ああ ここは居心地がいいなあー
わたしのテリトリーかしら
きっと これが自我なのだ

わたしが私であるために
その意思を示す 輪っかだもの
だれからも邪魔されたくない

もしも壊そうとするなら
猛然と反撃にでるよ
コンパスの針がチクリと刺します



 【 魔女狩り 】

あの女は魔女だと誰かが指差した

その瞬間から女は人ではなく
――魔女にされた

女は異端者だった
髪の色が違う 瞳の色が違う 肌の色が違う
みんなと女は違っていた 異形の者
人は自分と違う能力を持つものに
不信や畏怖の念を抱く
そして嫉妬や妬みなどの
禍々しい感情が頭をもたげてくる

あの女は魔女だ!
その言葉で仲間を集める
正義の証明のために多く賛同者が必要なのだ
あの女は魔女だ!
その言葉は憎しみを増幅させて
フラストレーションの捨て場となる

あの女を「排除」せねば……

魔女狩りと称する
集団ヒステリーの一団は
松明を手に持ち 眼をギラギラさせて
逃げる女を執拗に追い詰める

わたしは魔女じゃない!
あらぬ疑いに必死に弁明しようとするが
その叫びを誰も聴こうとはしない
「魔女」の刻印を捺された時から
その役を降りることが
女には絶対に許されないのだ

髪を掴んで地べたに這いつくばせる
罵詈雑言で女を卑しめる
彼らにはイデオロギーなんかもはやない!
ただの快楽殺人者なのだ
陰湿な憎悪のために
魔女をつくり 殺そうとする群れ

魔女裁判 有罪 焚刑!
有無を言わせず 
その躯に火を放つ
泣き叫ぶ女は
生きながらに焼き殺された

――Witch 
それは人の心がつくった妄想の産物

ヨーロッパの黒歴史
魔女狩りは15世紀から18世紀まで
全ヨーロッパで行われた
そして魔女の疑いで処刑された 
女たちは4万人にのぼると言われている

だが その中には
本物の魔女なんてひとりもいなかった
そう! 妄想という炎で
女たちは焼き殺されたのだ


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-29 17:34 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 27

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 【 心詠 】

心は目には見えない
心は耳でも聴こえない
心は手では触れられない

思考でもない 記憶でもない
ただ感情というだけではない
心って いったいなんだろう?

見えない存在 心の在り処
それを証明する方法があるのか
ずっとそのことを考えてきた
私は詩で心を表現したい

歓喜 絶望 挫折 懊悩 躊躇
葛藤 恋慕 憎悪 憧憬 憐憫
 
湧きあがり変化する心模様
それらを捕まえて表現したい
私は文字を綴っているのではない
気持ちを説明している訳ではない

深く抉るような 絞り出すような想い
私は心を詠んでいるのだ
「心詠(しんえい)」それは心のスケッチ



 【 憐憫花 】

可哀想な自分を憐れむ
自己憐憫の陶酔者
涙で開く 憐憫花

癒えかけた疵を掻き毟り
流れ出す血を舐めて
微笑む 憐憫花

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 【 海の牙 】

大地が大きく揺れた時
海が牙を剥いて 襲いかかる
多くの人々を海へと
引きずり込んでいった

海に流れ出した屍は
漂いながら人の姿をなくしていく
吸い上げられた魂たちは
いったい 何処へ

この世に転生するために
久遠の旅を続けている
もう一度 再生される命たち
大地には青い風が吹いているから

早く 戻っておいで!



 【 震災孤児の少女へ 】

ノートにうつ伏せ眠る少女
どんな夢をみているのだろう

津波が浚っていった
父・母・妹……

もう二度と帰らない夢でしか会えない肉親たち

幼い少女には悲しみの深さが
まだ分からない

神様 この子にどんな罪があって
こんな過酷な運命を与えたのですか?

喪った家族の分まで
生きなければならない

少女よ!
日本中のお父さんやお母さんが
君の肩を抱きしめているよ

少女の悲しみに涙を流している
きっと幸せな明日が来るように
みんなで祈っているから

どうか強く生きてね!



 【 "未来"に伸ばす手 】

若者たちよ
もっと"未来"に手を伸ばしておくれ
部屋の中に閉じ籠っていないで
広い世界で呼吸をしようじゃないか

君たちの大好きなゲームは
確かにリアルよりも安全で楽しい
何度死んでもリセットボタンひとつで
再生できるけれども
バーチャルの世界ばかり
遊んでいてはいけないんだ

さあ出てきておくれよ
君たちのチカラを社会は必要としている
もっとアクティブになろう!

押さなければ開かない
叩かなければ響かない
求めなければ与えられない

君たちのチカラで
未知の扉に手を伸ばしておくれ
だから尻込みしないで
そう動き出さなければ
何も始まらないのだから

伸ばした手の先に
君たち"未来"はあるんだよ!


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-27 17:20 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 26

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 【 顔 】

いつも 悪口を言ってくる人がいる
わたしは曖昧に笑い 心の耳を塞いでいる
そんな話は聴きたくない どうして人を傷つける話を
そんなに嬉しそうに 喋れるんだろう?

ほら 鏡で見てごらん 今の自分の【 顔 】
どす黒い心のオーラで 歪んだその【 顔 】
なぜ分からないの 人に優しくできない者は
決して愛されないし 幸せにも成れないことを

生きるのヘタな こんなわたしだけど……
誰も傷つけたくないし 傷つけられたくもない
悪口ばっかり言って あんな【 顔 】に成りたくない

それだけは わたしの信条ですから!



 【 出発! 】

さよなら さよなら……
職場を去っていく
キミの背中に小さくつぶやく

もう明日から
キミの笑顔が
見れなくなってしまうのが
たまらなく寂しいよ

ありがとう ありがとう……
そっと差し出した
キミの手は汗ばんでいたね

もうキミは
わたしの中で
想い出に成ってしまうのか
最後のお別れの握手

ゴメン ゴメン……
ずっと うつむいていたのは
涙を堪えていたからなんだ

もう終わりました
そして新たな出発です
不安と希望の入り混じった瞳で
今日 わたしたちはこの職場を去る!


   ※ 13年勤めた会社が倒産しました、最後のお別れを職場の
     仲間たちとした時の詩です(ノд・。) グスン

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 【 水子供養 】

月満ちて
生まれることなく
消された 小さな命

誕生を望まれず
悲しむ人もなく
花を手向けたくとも

この子に 墓はありません


母の胸に
抱かれることなく
消された 小さな命

憐れな御霊を
どうか観音様の
御胸で抱いてください

その子に 罪はありません



 【 優しい人 】

自分のことを自分で
優しいなんていう人に
本当に優しい人はいない

いつも
優しさの意味を考えている
そんな人が 本当に優しい人だ

だから軽々しく
自分で優しいなんて
言えるはずがない

わたしはちっとも
優しくない人間ですから
それは自分で 一番分かっている

だけど
優しい人の振りだけは
したくないんだ
嘘の優しさ振り撒く
偽善者にはなりたくない!

ほんの少し
優しさの意味を考えてみる
何だろう? 優しさって……
人のため? 自分のため?

……………………………………

考えると難しいね
本当の優しさって?



 【 嘘 】

わたしたちは生きていくうえで
自分自身をカモフラージュすることがある
いろんなモノと順化していくために
本当の姿を誤魔化そうとする

『 嘘 』誰でもついたことがあるはず

優しさからついた嘘
弱さからついた嘘
騙そうとついた嘘

『 嘘 』にもいろいろあるけど……

ただ言えることは
嘘は『 真実 』を隠すための道具であって
いくら隠してみたって
真実は何も変わっちゃいないってこと!

『 嘘 』を守るために また嘘をつく

ついた嘘が剥がれないように
上から上から嘘を重ねて……
ピエロのように 厚く塗った化粧
もう 素顔を曝せない

嘘でまた『 真実 』塗り籠めようとする
v最後に『 嘘 』は自分自身も騙して
『 真実 』さえが見えなくなってしまう
だから 自分のついた『 嘘 』に
オオカミ少年は食べられてしまった!


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-16 14:27 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 25

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 【 袁招の妻 】

『 三国志 』魏書の名門
袁紹(えんしょう)の妻は
夫が病死した後
四人の愛妾を惨殺した

あの世に逝っても
夫を誘惑しないように
死んでも なお……
女たちの頭を丸坊主にして
顔には醜い刺青を入れたという
殺してもおさまらぬ 嫉妬心

なんと!
女の嫉妬のあさましさよ
嫉妬は愛なのか?
狂気なのか?



 【 棘 】

触れて感じる痛みと
触れなくても分かる痛みがある

深い渓谷で
汚い濁流に呑まれそうになった

鋭い毒の棘で刺されそうだった

怖い 怖い……
剥きだしの心の怖さを知った

その棘で何度もわたしを
突き刺して 男は嗤っていた
 
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 【 痛み 】

あなたが道で転んで泣いていたとしても
その痛みは誰にも分からない
大丈夫?
と声を掛ける人がいたとしても
ホントのところ
その痛みは本人にしか分からない

自分のモノサシで
他人の痛みは測れない
強いと思えた外壁の内側は案外脆いものだった
膝小僧から噴き出す血は生身の苦しみ

だけど
わたしは転んで泣いている人を見たら
こう言ってあげたい

『 もう痛くないよ
   だから自分の足で立って歩きなさい 』

慰めではなく
励ましてしてあげたい
もし その言葉で勇気を貰える人がいるのなら
わたしは何度でも声を掛け続けたい

そして――
今 その言葉は自分自身に向けて呟いている



 【 再会 ~ 果たされなかった約束 ~ 】

流れゆく季節の中に
打ち捨てられた想い
『 また、逢えるから…… 』
そう言って笑った
君の白い歯

お互いを忘れない
再会を誓い合って
僕らはそれぞれの街へ
帰っていった

距離が僕らの間に
大きな河をつくって
渡れないまま
対岸から君に手を振る

時間が僕の想いを
腐蝕させていく
もう逢えないことに慣れて
逢いたい気持ちも失せてゆく

ポストに投げ込まれていった
一枚の訃報はがき
僕の知らない街で
君は生涯を閉じてしまった

再会の約束を果たさないまま
消えていった命
逢えると信じていたから
待っていられた時間なのに……

君の住んでいた空の彼方に
もう一度約束しよう
想い続けることで
僕らの約束は終わらない

果たされなかった約束は
来世に持ち越されたね
僕らの魂は時空を越えて

『 きっと、また逢えるよ 』
 
        

 【 再会 ~ もう一度 ~ 】

放り出した箱がある
引き留める手を払い除け
飛び出した あの箱から

捨ててしまいたかった
全ての絆
もう振り返らないと
強く心に誓った

あの箱の中はパンドラだった

仲良しの友が裏切った
慕っていた子が恩を仇で返す
才能を認めてくれていたはずの
仲間がクズだと罵った

ひどい!
もう 誰も信じられない

わたしを縛りつける
あの男からも鎖を引き千切り
逃げた!

失ったものは多いけど
ふたたび自由を
手に入れることが出来た

パンドラ箱は蓋を閉めて
心の奥に深く沈めた

そして……
新しい箱を見つけた
寂しがり屋のわたしに
また新しい仲間が出来た

ここには
本当の安らぎと自由があった
もう一度
わたしの『 創作の翼 』が羽ばたいた

やがて……
かつての箱から
仲間がやってきた
わたしを信じる友が来てくれた
友と再会!
 
ありがとう ありがとう!

仲間たちと一緒に
もう一度 ここで羽ばたこう


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-16 10:46 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 24

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 【 遺書 】

ここは何処だろう
わたしは誰なんだろう

生きることの意味なんか
とっくの昔に忘れていたのに
こうして まだ生きている

見たくないモノ
道端で眠るホームレス
ゴミに群がるカラス
自動車に轢かれた猫の死体

そして 今のわたし……

死ねない弱さで生きてきて
生きていることに後悔し続け
それでも死ねない
ああ 臆病者の見苦しさ

錐のように 尖がった言葉が
誰かの心を傷つけないように
そして
自分自身も傷つかないように
そっと そっと 息をしている

見たいモノ
何処までも澄みきった青い空
風に揺れる黄金色の麦の穂
愛しい者の安らかな寝顔

いつか死んで逝く わたし……

幸せな想いだけ
抱いていきたい
最後に みんなに

「ありがとう」

微笑んで 静かに目を瞑ろう



 【 neko 】

わたしに首輪は
付けられない
さぁ 捕まえてごらん
ひらりと身をかわす
軽やかに逃げていく

わたしの心は
誰にも縛れない
束縛を嫌う猫だから
たとえ傷ついても
自分の信じる道をいく

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 【 プール 】

悲しみは 涙となって溢れだし
しょっぱい味のプールになった
わたしの苦しみは終わらない
涙のプールに落ち込んで
どんどん深みに沈んでいく
どんなに足掻いても
浮かび上がれない
この水圧から逃れられない!
水底から見える空は
あんなに明るくて
手を伸ばせば掴めそうだった
このままプールの底で
わたしは息を止めていよう
ゆらぎながら漂う
まるで水死体のように



 【 スパイラル 】

さよなら……
終りは悲しみではなく
始まりは喜びではない

ぐるぐるぐる

終わりも始まりも
螺旋を画いて
繋がっている

ぐるぐるぐる

始まりの前に終りがあって
終りがあるから
新しくスタート出来るんだ



 【 白い獏 】

秘密だけど教えてあげる
あたしのベッドには
白い獏がすんでいるの

それはねぇー
蚕の繭から生まれた
真っ白な獏なんだ

小さなあくびが
ひとつ ふたつ みっつ
伸びをして 目をつむる

わたしの白い獏が
怖い夢 みんな食べてくれるから
心地よいシルクの夢の世界へ

寒い寒い冬の夜も
疲れた体を休めれば
ほっこり包み込んでくれる

ふわふわ柔らか白い獏
今夜も優しさ抱きしめて
一緒に朝まで眠りましょう


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-15 13:02 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 23

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 【 学習 】

生きていて学んだことがある

人を信じるとバカをみる
黙っていると損をする
努力したって報われないってこと

自分なんか
居ても 居なくても
最初から どうでもいい
存在なんだ

スイッチ1つで消せる世界なら
こんなダメな自分に
絶望しなくても済むのに

誰か 教えてください
楽に生きる方法と
苦しまない死に方を……



 【 ふわり 】

ふわり 針葉樹に 降り積もるボタン雪
     ふわり 生まれたばかりの 仔猫の産毛
          ふわり 春風に揺れるように 肩にとまった蝶々

ふわり ふわり ふわり……
     軽やかだけど 温かいね

ふわり 春の浅い眠りに まどろむ人よ
     ふわり その安らかな眠りを 妨げないように
          ふわり 春に日差しになって あなたを包み込もう

ふわり ふわり ふわり……
     柔らかだけど 強い想い

          大好きな人の寝顔を見ていよう
             ずっと ずっと いつまでも……

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 【 帰り道 】

このままどこかへ
行きたいと思いました
このまま消えて
無くなりたい気分です
失踪する人の気持ちが
分かりました

自分にちっとも
自信が持てなくて
もう誰からも
必要とされてなくて
行き場がなくて
寂しくて……

それでも
なんとかしようとジタバタして
心の中は
焦燥感ばかりがつのる
そんな自分に疲れ果て
やるせなくなる……

肩にずっしり
重い荷物を乗せられて
みじめな自分を引きずって
うつむいて歩く
夕暮れの街
ハローワークの帰り道



 【 ルール 】

わたしは小さなコダワリを持って生きていた
『自分はこうである』 『それは自分らしくない』
そんな風に窮屈なゲージに自分を閉じ込めて
愚かな自己満足に浸っていた

自分を縛っているモノは
自分で決めたルールだと気づかないで
いつも 思い通りにいかないことに
腹を立て 失望と絶望を繰り返していた

さあ 自分を解き放そう
自分の作ったルールは 自分で破れ!
ほら 心が軽くなったでしょう?
自由になった心と一緒に
可能性を求めて飛び続けよう
 
もっと もっと高みへ



 【 新聞 】

カーテンをあけて
朝の光を招き入れる
フレッシュな一日がまた始まる

ポストに新聞を取りにいく
人の手で運ばれてきた情報には
どこか温もりがある

新聞の紙面を開く
手に取って見る文字たちは
いろんなことを語りかけてくる

遠い国で終わらない戦争
捕鯨を反対する人々たち
虐待されて死んでいった子ども

文字は目から脳へ
イメージとなって焼付いてく
文字を読む目は 真実を知る目になった

紙面を閉じて
深呼吸をひとつ 心の中で
平和な世界をわたしは祈っている


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-15 12:39 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 22

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 【 キミの夢 ボクの願い 】

ボクにキミが
夢を語ってくれた
キラキラと輝く瞳で
心の中を見せてくれた
そんなキミの
笑顔がまぶしかった

夢に向かって
一歩一歩 歩き始めた
キミの道は
決して平たんではないだろう
時には 道に迷って
立ち止まることもあるだろう

そんな時には
そっとボクが背中を押してあげる
遠い道のりに
涙する日もあるだろう
そんなキミの涙を
優しくボクが拭ってあげるよ

だからキミの
その夢をあきらめないで
ボクはずっと
エールを贈り続けるから
いつかキミの
笑顔が輝くその日まで



 【 ねん土 】

ねん土を捏ねるように 詩を作る
想い描いた イメージに近づくために
何度も 何度も コトバを頭の中で捏ねる
語尾の文字ひとつで 雰囲気が大きく変わる
詩とはデリケートなモノである

調子のイイときには コトバが頭の中に降りてくる
泉のように こんこんと湧いてでる
コトバの星屑から 本当に輝くコトバを選びだす
それらのコトバを ジグソーパズルのようにはめ込んで
ひとつの詩を完成させていく

調子のワルイときには 頭の中は白紙のまんま
コトバが出てこない イメージも膨らまない
ひとつのコトバに囚われたままで フリーズしてしまう
そうなってしまったら 無理に創ろうとせず
いつまでも『くる』のを待っている

わたしの創った ねん土のメッセージは
あなたの心の中で どんなカタチに変化していくのだろう

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 【 道 】

この道は何処へ続くのだろうか
歩いて見なければ分からない道もある
だけど自分が信じる道ならば
必ず連れて行ってくれるはず

その道はきっと
あなたの望む場所へ繋がっている

だから心に 『 夢 』だけ抱いて
あなたを信じる人たちの優しさを
力にかえて 誇りにかえて
真っ直ぐに歩いていこう

この道はきっと
あなたの『 夢 』へ続いているから



  【 憂鬱な雨の日 】

憂鬱な雨の日……
雨だれの音に
心まで重く湿っていく
落ち込んだ穴の中 
何もかも煩わしく
意味もなく苛立ち 
そんな自分に疲れる

日々 
無気力になってしまう
自分を救い上げる 
すべが見つからない
もう 幸せになんか
成れなくていいんだ

この憂鬱の水溜りに
浸かりこんで
静かに浮かんでいたい



 【 小さな天使 】

小さな命が 
神に召されてしまった……
白い翼の小さな天使は 
わたしに幸せのカケラをくれた
籠を開けると
ちょこんと手に乗ってくる
部屋の中をひと飛びすると 
わたしの肩に止まったね
その可愛らしい姿に 
いつも癒されていたのに……

小さな天使を
死なせてしまった……
もう冷たくなって鳴かない 
固くなって動かない
あの日泣きながら 
おまえを大地に埋めたよ
そこから空へお帰り
大空には籠なんかないんだ
自由に空を飛びまわったら
天国へと羽ばたいておゆき

愛らしいおまえは
わたしの小さな天使だったよ

              ― 今は亡き文鳥に哀悼を込めて ―


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-14 11:50 | 心詠(しんえい)

心詠(しんえい) 21

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 【 虚無(うろ) 】

迷子のように いつも迷っている
遠くばかり見ていて 足元に落ちている
未来の地図を いつまでも拾えない

自分の甘さは分かっている
自分のズルさも分かっている
誰かにすがらないと
生きてゆけない 弱さも分かっている

『 何故 自分を愛せないのだろう? 』

ハリボテの頭で いつも考えている
幾度失敗しても それを学習できない
イビツで壊れたわたしは とても不安定

いつも消しゴムで こんな自分を消したい
衝動を抑えてる 自分の存在に価値などない

『 ダメな人間 』

自分で貼ったレッテルが 心地よくて剥がせない

いつも自分を救う 術(すべ)を探してる
わたしの心の 虚無(うろ)には
誰の声も届かない……



 【 写真 】

早く 早く 時間が過ぎていく
この感動をとどめようと
夢中でシャッターを押す

カメラの中で
写真になったとき
それらの事柄はすべて
過去の出来事になってしまう

いつも いつも わたしたちは
記念写真として過去を残す
二度と巻き戻せない瞬間だから……

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 【 nervous 】

冷たい氷の欠片が 胸に刺さった
それは私から 体温を奪っていく
どうしたの? あなたの心が見えない

ねぇ わたし笑えてる?
あなたの眼を見て ちゃんと笑えてるの
不安で こんなに手が冷たい

わたしは ちっとも強くないよ
ひとりじゃ 何も出来ないんだから
暗闇に 呼吸の音だけが沁み込む

お願いだから 心に触れないで!
両耳を塞いで しゃがみ込みたくなる
鉛のように重い 不安が静かに広がっていく



 【 ため息 】

『幸せという言葉さえなければ
 不幸という言葉もないのに……』

そういって、その人は
深いため息をついた
夜の闇の中へ
ため息と幸せが消えていく

悲しみに、心を塞がないで
暗闇の向こう側
きっと未来には
あなたを待つ光があるから
そう信じて、少しだけ微笑んでみて



 【 Let's Try 】

ねぇ 深呼吸したら 風の色が変わったよ
眠っていた サナギが目覚め始めた 
わたしを揺り動かす うねるような焦燥感

何か 新しいモノを求めて 『 Let's Try 』
ここには もう留まってはいられない
広げた地図をたたんだら 旅立ちの準備

あのね あなたがそっと教えてくれた
秘密の暗号 今も心の中で解いているよ
優しかったあの人 ずっと忘れないから
だから みんなにバイバイって手を振るよ
たんぽぽの綿毛たち 一緒に連れて行って
小さな温もり抱きしめて わたし旅立つ

        『  求めよ、さらば与えられん。
           尋ねよ、さらば見出さん。
           門を叩け、さらば開かれん 。 』

                新訳聖書 「マタイによる福音書」より

主よ あなたの言葉を信じます!
わたしは その扉を何度も叩きます
何度でも 何度でも 『 Let's Try 』


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創作小説・詩

by utakatarennka | 2017-08-14 10:33 | 心詠(しんえい)