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スポーツ・熱中症を予防しよう! ②

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 ■ こまめな水分補給をしましょう ■

体を運動や暑さにならすために、水分の補給が重要です。水分の補給にはどのような注意が必要なのでしょうか。
30℃以上の環境温度のもとでは、人は主として汗によって体温を調節します。
マラソンなどでは一般の人でも1000ワットもの熱を発生します。
100ワットの電球10個分の熱が発生するわけで、この熱をちょうど自動車のエンジンをラジエータの水で冷やすように汗で冷やして、体温を一定範囲内に保っているわけです。


 ■ 運動時の水分補給の目安 ■

 運動の種類     運動強度     持続時間      競技前      競技中

トラック競技     75〜100%   1時間以内    250〜500ml   500〜1,000ml
バスケット
サッカーなど

マラソン        50〜90%   1〜3時間     250〜500ml   500〜1,000ml/1時間
野球など

ウルトラマラソン   50〜70%   3時間以上     250〜500ml   500〜1,000nl/1時間
トライアスロン                                   必ず塩分を補給
 など

 ■ 水だけじゃダメ? 汗をかいたら塩分も補給 ■

大量に汗がでた時には、発汗量に見合った量の水を飲めないことが昔から知られ、
これを自発的脱水と呼んでいます。
この自発的脱水は、水だけを飲むと血液の塩分濃度が下がり、水が飲めなくなることが明らかに
なってきました。
われわれの体には、ほぼ0.9%の塩分を含んだ血液が循環しています。

ところが大量の発汗がおこると、皮膚をなめると塩辛い味がすることからわかるように塩分が失われます。
この時水だけを飲むと、血液の塩分濃度が薄まり、それ以上水が欲しくなくなります。
同時に余分の水分を尿として排泄し、その結果体液の量は回復できなくなります。
この状態で運動を続けると運動能力が低下し、また体温が上昇して、暑熱障害の原因となるわけです。


 ■ 塩分と糖分を含んだ水分補給が効率的 ■

水分の組成としては0.1〜0.2%の食塩と糖分を含んだものが有効です。
運動量が多いほど糖分を増やしてエネルギーを補給しましょう。
特に1時間以上の運動をする場合には4〜8%程度の糖分を含んだものが疲労の予防に役立ちます。
これには、冷えたスポーツ飲料が手軽ですが、自分で調製するには1リットルの水、
ティースプーン半分の食塩(2g)と角砂糖を好みに応じて数個溶かしてつくることもできます。

長時間運動を続ける場合には、食塩濃度をやや高くすることが必要です。
トライアスロンなど長時間の運動では、血液のナトリウム濃度が低下して、熱けいれんのおこることが
報告されています。
またエネルギー源としての糖質も水と一緒に摂取することが効率的です。運動の回復時においても
水分を摂取することによって、体温の回復が早くなります。

    ※ ナトリウムが40~80㎎(100ml中)入っていれば、
       0.1~0.2の食塩水に相当します。


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 ■ 体重チェックで状態を知ろう ■

毎朝起床時に体重を計ると疲労の回復状態や体調のチェックに役立ちます。
また、運動前後に体重を計ると運動中に汗などで失われた水分量が求められます。
体重の3%の水分が失われると運動能力や体温調節能力が低下しますので、
運動による体重減少が2%をこえないように水分を補給しましょう。


 ■ 汗で体温調節 ■

皮膚には皮膚血管、温・冷受容器、あるいは汗腺など体温調節にとって重要な器官が存在しています。
血液は、体の中で発生した熱を移動し、皮膚血管の働きによって体の表面から放散(放熱)する
熱量を調整し、体温を調節しています。

運動によって熱産生量が増加したり、暑い環境によって体温が上昇して、熱放散の必要が増すと発汗が
おこり、水分蒸発を盛んにして体温を下げる働きをします。
汗でぬれた皮膚から蒸発する熱量は、体温や発汗量、あるいは環境気温、湿度、風(気流)などの環境条件によって異なりますが、100gの汗でおおむね1℃体温を低下させます。

汗は体温を調節するうえで、重要な役割を持っています。
発汗能力は動物によって大きく異なりますが、人がもっとも良く発達しています。人が砂漠などの
暑い地域でも生活できるのは優れた発汗機能のおかげなのです。

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 ■ 汗の成分 ■

体温調節に関係する汗腺は一般体表面に分布しているエックリン腺で、その総数は200〜500万と
いわれています。
日本人では平均230万個の汗腺が体温の上昇に反応して汗を分泌(能動汗腺)し、その汗腺の数は、
2〜3歳までに育った温度環境によって決定され、成人になってからは増加しないともいわれています。

汗は汗腺から分泌され、その原液は血液(血漿)です。
汗の主な成分としてはNa、Cl、KあるいはCaなどの無機成分のほかに、ブドウ糖、乳酸などの有機成分が
含まれます。
その濃度は発汗量の多少や、暑さに対するなれ(暑熱順化)の程度によっても異なります。

分泌された汗のすべてが体温調節に有効に働くわけではありません。
一部は体の表面から滴下し、また水滴のまま衣服や皮膚表面に溜まります。
気化して熱放散に有効に働く汗を有効発汗というのに対して、それ以外の汗を無効発汗といいます。
湿度が高いと有効発汗は減少し、無効発汗が増加しますので、体温が上昇しやすくなります。

 ■ 夏のスポーツ活動は水分補給を十分に ■

毎年、夏休みを利用して多くのスポーツ大会が開かれます。
実際に、私達はどれ位の気温のもとで運動を行い、どれ位の汗をかいているのでしょうか。
日本の夏の風物詩ともなっている甲子園大会を目指して練習に励む球児達が、どれ位の環境温下で
スポーツ活動を行い、どれ位の汗をかいているか実態調査した結果をみてみます。

北は北海道から南は九州までの全国8地域で行われた、夏期の高校野球の大会や練習時の環境温度をWBGTで示したものです。
地域によって異なりますが、最高は東北・山形の31.2℃で、日本体育協会「スポーツ活動における熱中症事故予防に関する研究班」が示す運動指針の「運動は原則中止」のゾーンを示しています。
その時の発汗による水分の喪失率(発汗/体重)は体重の2〜7%で、もしスポーツ活動中に十分な水分の補給が行われないと、スポーツのパフォーマンスの低下だけでなく、熱中症発生の危険性が高まります。
水分補給に十分心掛けたいものです。

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 ■ 熱の出入りに大きく関係する衣服 ■

皮膚からの熱の出入りには衣服が関係します。暑い時には軽装にし、素材も吸湿性や通気性のよいものにしましょう。
屋外で、直射日光がある場合には帽子を着用しましょう。
防具をつけるスポーツでは、休憩中に衣服をゆるめ、できるだけ熱を逃しましょう。


 ■ 衣服が体温調整に及ぼす影響(運動時)■

環境温度の変化や、運動などによって熱産生量が変化すると、身につけている衣服を脱いだり、着用したりして体温の調節をします。
また衣服は外傷や紫外線などの危害から体を保護する働きを持っています。

運動時の体温調節に及ぼす衣服の影響を考えるうえで、以下の3点の調節が重要になります。

 1.体からの熱放散
衣服の保温力は衣服の材料、衣服の型および衣服の構成によって変化します。
衣服材料によって含気性、通気性、保温性、吸湿放湿性あるいは吸水性が異なり、保温力の低い衣服ほど熱放散性に優れています。

 2. 外部からの輻射熱
暑熱時の直射日光の下では、外部からの幅射熱の吸収や遮断がとりわけ重要になります。
砂漠における炎天下の裸体時と着衣時に体の受ける熱量を比較したものです。
また、衣服地を透過する輻射熱量の大きさを、綿作業服地を1とした相対量で示したものです。

このように幅射熱が大きい場合には衣服による輻射熱量の調節も、体温の調節にとって重要となり、
中近東の砂漠では、頭から足の先まで白い衣服で覆うのは、輻射熱による熱の侵入を防ぐためです。

 3. 水分蒸発
体は発汗をしていない場合でも、熱放散の25%は皮膚表面からの水分蒸発(不感蒸泄)によっています。
運動時や高温下では大量の汗が出ます。着衣時には汗は一旦衣服に吸収され、衣服の表面から
蒸発します。

熱中症予防のために、暑熱環境下におけるスポーツ活動時の衣服は、保温力が低く、放湿性の高い衣服によって、体温の円滑な調節を助けるように工夫することが重要です。

アメリカンフットボールや剣道などでは、激しい身体衝撃や転倒などから身を守るために、服装が重装備と
なることも避けられません。
このような場合には、休憩中には衣服をゆるめ、冷タオルで体を冷やしたりして熱放散を助け、体温を下げる工夫が重要です。
また、スポーツによっては炎天下で行われるため、帽子や手拭いなどによって直射日光を避けたり、サングラスを使用し目を保護することなどが望まれます。

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 ■ 無理な運動を避けましょう ■

体調が悪いと体温調節能力も低下し、熱中症につながります。
疲労、発熱、かぜ、下痢など、体調の悪い時には無理に運動をしないことです。
体力の低い人、肥満の人、暑さになれていない人、熱中症をおこしたことがある人などは暑さに弱いので
注意が必要です。
学校管理下の熱中症死亡事故の7割は肥満の人におきており、肥満の人は特に注意が必要です。


 ■ 熱中症と身体因子 ■

暑さへの耐性は個人によって大きな差があります。体力の低い人、肥満の人、暑さになれていない人、
熱中症をおこしたことのある人などは暑さに弱いので運動を軽減する必要があります。
筋肉で発生した熱は血液によって皮膚に運ばれ放散されるので、熱の放散能力には循環機能が関係します。
持久的体力の低い人は循環機能も低いので暑さに弱いのです。

肥満の人は同じ運動でもエネルギー消費が大きく、熱の発生も多くなります。
また、皮下脂肪が熱の放散を妨げるためうつ熱がおきやすくなります。
暑さへのなれも重要です。急に暑くなった時、涼しい所から暑い所に移動した時、しばらく休んでいて暑い時に復帰した場合などは注意が必要です。


同一個人でも暑さへの耐性は体調によっても変わってきます。
体調が悪いと体温調節能力が低下します。熱中症の事故にはしばしば体調が関係しています。
疲労、発熱、かぜなど体調が悪い場合には無理に運動をしないようにしましょう。
また、胃腸障害で食欲が低下したり、下痢があると脱水傾向となり、熱中症になりやすいので注意が必要です。



写真は無料フリー写真素材[ 足成 ] 様よりお借りしました。
http://www.ashinari.com/

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by utakatarennka | 2013-07-19 11:04 | 健康

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