井坂幸太郎 「マリアビートル」
最近は創作することばかりに腐心して
本も読まず、読書の楽しさを忘れてしまっていた。
面白い物語を書くためには、
私自身が読者の視点に戻るべきだと考え
『読書日誌』を付けようと思い立った次第であります。
■ 著者名 ■
『マリアビートル』
■ 著者 ■
井坂幸太郎
■ 出版社 ■
角川文庫
■ ジャンル ■
小説
■ あらすじ ■
幼い息子の仇討ちを企てる、元殺し屋「木村」。優等生の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。
闇社会から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。
疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。
小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテインメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
■ 感想 ■
前作、井坂幸太郎の「グラスホッパー」に続いて、「マリアビートル」も読んでみました。
二冊目なので前回感じた、どこが面白いのか分からない状態から、少しこの作家の愉しみ方が分かってきた。
ようするに、この物語はキャラクターものなんだと気づいた。
個性的な殺し屋たちの行動や会話、その中で語られる蘊蓄を自分なりに解釈して愉しめばいいのだ。
新幹線の中を行ったり来たりするストーリーはただの流れに過ぎない、緻密なトリックや盛り上がりなどは期待しないこと。そういう風に思って読んでいけば、なるほど面白くなっていく。
プロットが脆弱な分、登場人物たちのキャラが立っている。
読みだすと、結構クセになりそうな小説だ。その辺がこの作家の人気の秘密なのかもしれない。
■ 参考になったこと ■
やっぱりキャラクターが面白いと最後まで読めます。
■ 評価 ■
★★★☆☆
マリアビートル [ 伊坂幸太郎 ] |