詩集 愛の言霊 ⑰
【 心の樹 】
何処までも澄み切った
あなたの青い空に
ある日忽然(こつぜん)と
1本の樹が生えた
あなたの心に
その樹は根をおろし
幹を伸ばし枝を張り
たちまち緑の葉で覆いつくす
その樹のことを人は
『 恋 』と呼ぶのだろうか
心に宿ったその樹は
感情という棘(いばら)で
あなたを迷わせ
深く傷つけるかも知れない
実る果実は
悲しみと失望の味だとしても
その樹を手折(てお)る
強さがあなたに無いのなら
いつか心の樹が枯れる
最後の瞬間まで
わたしの傍に居てくれますか
透明の笑顔のままで
【 情死乞 】
あたしゃ
あんたに殺(あや)めて欲しい
年とって皺(しわ)くちゃ婆になって
医者に命を盗られるくらいなら
いっそ
ここで殺しておくれ
女にとって幸せなことは
きれいなうちに
惚れた男に命を奪われること
情事の後でまどろんだとき
手ぬぐいを首に二重に巻いて
ぐっとひと思いに絞めて
もがき苦しんで
血を吐いて 失禁しても
どうか息絶えるまで
その手を緩めないで
絞めて 絞めて
絞め続けておくれよ
この命
あんたに盗られるなら
本望だから……
あたしゃ
あんたに殺めて欲しい
ああ
こんなことをいう
あたしは狂っていますか
そうさ
あんたという男に狂っちまったのさ
【 Jigsaw Pazzle 】
わたしの心をあなたの愛で
いっぱいに埋め尽くしたいの!
笑ったこと 泣いたこと 怒ったことも
全部わたしの 心のカケラだよ
どれも あなたへの大好きが詰まった
わたしの愛のピースなんだ
探して 探して いつかきっと見つかるよ
ふたりの心と心が ピッタリと繋がる
Love Pes.!
【 夜光虫 】
光の海に浮かんでた
独りぼっちで漂っていた
小さな掌(て)を伸ばしてみたけど
誰もただ触れてくだけで
この掌を握り返してはくれない
寂しさで心が萎(しお)れていく
四角い箱の向こう側に
あなたという光をみつけた
その掌は優しく力強かった
そしてあなたは
わたしをすっぽり丸ごと
包み込んでしまった
もう離れられない
求め合う魂は固い絆になる
今宵も熱い鼓動が重なって
蒼い闇に溶けていく
甘美な夢に堕ちていく
ふたり波間を漂う夜光虫
【 クローバーリーブス 】
四つ葉のクローバーを
わたしは探していた
それは
ふたりの心を繋ぐ魔法の葉っぱ
もし見つけたら
あなた優しくしてくれるかな?
メールの返事はくれないし
いつも後回し……
あなたの愛は
わたしの心に足りてないのよ!
愛は秤では量れないのに
その重さを気にしてた
あなたがいるだけで
嬉しいんだから
大好きな この気持ちを
もっと大事にしたい
ねぇ ふたりで探そうよ
四つ葉のクローバー
いつか きっと見つかる
幸せの四つ葉のクローバー!