急な胃痛の応急処置 ④

先日、夜中に急に胃が痛くなって困りました。
その時、ネットでこんな記事を見つけて対処させていただきました。
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
http://bui.jp/viscera/stomach-organ/1603
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
対処法 その① 胃を空にしない
対処法 その② 温かい飲み物を飲む
対処法 その③ カフェインは避ける
対処法 その④ 刺激のある食べ物は避ける
対処法 その⑤ ネバネバ系の食べ物を食べる
対処法 その⑥ 悪い事を考えない
対処法 その⑦ 体の右側を下にして寝る
対処法 その⑧ 半身浴をして外側から温める
対処法 その⑨ 湯たんぽやカイロで温める
対処法 その⑩ タバコやアルコールを控える
対処法 その⑪ 最適な漢方薬を探す
対処法 その⑫ 胃痛に効くツボを押す
対処法 その⑬ 胃に手を当てて温める
対処法 その⑭ ゆっくりと深呼吸をする
まとめ

胃が痛い時に、タバコやアルコールを吸うと余計に胃痛が酷くなる場合があります。
というのも人間の体はタバコやアルコールが体内に入ると、毛細血管が収縮し、胃の細胞が酸素欠乏を起こすことがあります。
そうすると、胃の粘膜の力が弱まったりするためにより胃痛を感じる原因となるのです。
ストレス軽減のためにタバコを吸っている方もいるかもしれませんが、かえって胃に負担かけて知らず知らずのうちにストレスを蓄積している原因にもなっていることもあります。
タバコを吸うたびに、胃痛がひどくなる方はできるだけ早くタバコを控えてください。
急にやめることが難しい場合にも、体と胃痛のことを考慮するのであれば、徐々に減らしていく努力をしていきましょう。

薬局で販売している定番の胃薬といえばガスター10などが思い起こされますが、それでも、もし突発的な胃痛に襲われることが度重なるようでしたら、あなたにとって最適な漢方薬を探してみませんか?
漢方薬を処方してくれる病院もお医者さんも増えてきている近年、漢方薬の種類の多さから最適な漢方薬、とりわけ胃痛に特化して探すことは困難にもなっています。
もしかしたら数週間〜長くて半年以上かかるかもしれません。
そこで簡単に効果的な漢方薬を探す指標をお伝えします。
1.漢方薬は果粒で飲まない
2.果粒の漢方薬であってもお湯で溶かして飲む
3.漢方の香りを鼻から大きく長く吸って湯気で3回大きく深呼吸する
4.香りが苦手で深呼吸ができない場合はあなたに合わない漢方薬ということ
5.香りがマッチしていて心地よく感じて体にも必要としていると感じたら2〜3週間はお湯で溶かし飲む
6.飲み終えたらその生薬を分解し、生薬を煮出して飲む方へステップアップするのもいいでしょう
ここまで漢方を取り入れたら胃痛は大きく改善しているかもしれません。
ただし専門家の意見はしっかりと聞いてくださいね。

1.まずおへその指4本上を指全体で押す
2.1分間押し続ける
3.次にみぞおちとおへその中間を指3本で押す
4.息を吐きながら優しく3回押す
5.最後に両手の指全体でお腹をさする
座りながらでも寝ながらでもできる簡単なツボ押しなので、胃が痛いときはツボ押しをしてみて痛みを和らげてみてください。


急な胃痛の応急処置 ③

先日、夜中に急に胃が痛くなって困りました。
その時、ネットでこんな記事を見つけて対処させていただきました。
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
http://bui.jp/viscera/stomach-organ/1603
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
対処法 その① 胃を空にしない
対処法 その② 温かい飲み物を飲む
対処法 その③ カフェインは避ける
対処法 その④ 刺激のある食べ物は避ける
対処法 その⑤ ネバネバ系の食べ物を食べる
対処法 その⑥ 悪い事を考えない
対処法 その⑦ 体の右側を下にして寝る
対処法 その⑧ 半身浴をして外側から温める
対処法 その⑨ 湯たんぽやカイロで温める
対処法 その⑩ タバコやアルコールを控える
対処法 その⑪ 最適な漢方薬を探す
対処法 その⑫ 胃痛に効くツボを押す
対処法 その⑬ 胃に手を当てて温める
対処法 その⑭ ゆっくりと深呼吸をする
まとめ

食べ過ぎなどで急激に胃痛を感じたら、体の右側を下にして、5分以上寝るようにしてみましょう。
胃の形状が右を下にすると保てる事や、胃から十二指腸への出口が右側にあるので、右側を下にして寝ると食べたものが腸の方へ流れやすくなり、消化促進の効果があるといわれています。
食後、胃痛になりやすい方はお試しください。
ただし、食後横になるのは良い事ですが眠ってしまうと、胃の動きが弱まり、食べ物が消化不良で停滞して胃痛を悪化させてしまいますので気をつけてください。

急な胃痛の対処方法として、体を温めると胃の痛みが和らぐといわれています。
もっともオススメの方法は半身浴です。
38℃〜40℃くらいのぬるめのお湯に胸下くらいまでゆっくりつかる入浴方法です。
ちょうど胃の位置まで温める事ができます。全身の血流も良くなり、体の芯まで温まる事で胃の痛みが緩和されます。
また、リラックス効果が高いので、ストレスによる胃痛を和らげる効果もあります。
ラベンダーなどリラックス効果のある精油を数滴たらすと効果倍増です。
すぐに入浴できない場合は、ホッカイロが便利です。
胃の位置に貼るだけなので手軽に胃を温める事ができます。

胃が痛くて眠れない時は湯たんぽがオススメです。
お腹に抱いて寝ると心地良い温かさでほっこり安心して眠る事ができます。
他にも
•カイロ
•腹巻き
•ヒートテックを着用する
などしてお腹周りを温めてあげると良いでしょう。
慢性的に胃が痛くなりやすい人は特に腹巻きをすることがとても効果があります。


急な胃痛の応急処置 ②

先日、夜中に急に胃が痛くなって困りました。
その時、ネットでこんな記事を見つけて対処させていただきました。
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
http://bui.jp/viscera/stomach-organ/1603
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
対処法 その① 胃を空にしない
対処法 その② 温かい飲み物を飲む
対処法 その③ カフェインは避ける
対処法 その④ 刺激のある食べ物は避ける
対処法 その⑤ ネバネバ系の食べ物を食べる
対処法 その⑥ 悪い事を考えない
対処法 その⑦ 体の右側を下にして寝る
対処法 その⑧ 半身浴をして外側から温める
対処法 その⑨ 湯たんぽやカイロで温める
対処法 その⑩ タバコやアルコールを控える
対処法 その⑪ 最適な漢方薬を探す
対処法 その⑫ 胃痛に効くツボを押す
対処法 その⑬ 胃に手を当てて温める
対処法 その⑭ ゆっくりと深呼吸をする
まとめ

•キムチやチゲなどの辛い食べ物
•度数の高いアルコール類
•アイスや氷などの冷たい食べ物
•チョコレートやコーヒーなどのカフェインを含む食べ物
•オレンジやレモンなどの酸が強い食べ物
胃が痛い時は、刺激のある食べ物を避けるようにしましょう。
せっかく胃を守ろうとケアをしたとしても、胃に刺激を与える食べ物を食べてしまっては元も子もありません。
上記にあげた食べ物以外にも、ご自身の経験上で胃に負担がかかったり、刺激があると思った食べ物は避けるようにしましょう。

•納豆
•オクラ
•モロヘイヤ
•山芋
•めかぶ
•なめこ
ネバネバ系の食材に含まれる「ムチン」という物質が胃の粘膜を保護してくれます。
できれば温めた状態の物の方が胃には優しいので、上記食材を入れた
•スープ
•お味噌汁
を食べると良いでしょう。
良く噛んで粘りを出してから飲み込む事で、胃の粘膜を保護し、痛みを緩和してくれます。
良く噛んで食べる事は、口内の唾液の分泌を促し、口の中で消化を進める事ができるので、胃の負担を軽減する働きをしてくれます。

胃痛の原因はストレスである事が多いものです。
胃が痛いと感じたら、とにかく嫌な事は忘れ、リラックスする事を心がけましょう。
リラックス法には、
•読書
•DVD鑑賞
•バラエティー番組を見る
•信頼できるパートナーと過ごす
•編み物
•音楽を聞く
•アロマやキャンドルを炊く
などがありますが、特に読書はオススメです。
本を読んでいる最中は悪い事を考える暇もありません。
本の世界に没頭するのはストレスから回避する最適な方法かもしれませんね。
日頃から、ストレスを発散できる方法を身につけておくことで、胃痛にならない身体になりましょう。


急な胃痛の応急処置 ①

先日、夜中に急に胃が痛くなって困りました。
その時、ネットでこんな記事を見つけて対処させていただきました。
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
http://bui.jp/viscera/stomach-organ/1603
胃が痛い!!急な胃痛に対処する14の方法
対処法 その① 胃を空にしない
対処法 その② 温かい飲み物を飲む
対処法 その③ カフェインは避ける
対処法 その④ 刺激のある食べ物は避ける
対処法 その⑤ ネバネバ系の食べ物を食べる
対処法 その⑥ 悪い事を考えない
対処法 その⑦ 体の右側を下にして寝る
対処法 その⑧ 半身浴をして外側から温める
対処法 その⑨ 湯たんぽやカイロで温める
対処法 その⑩ タバコやアルコールを控える
対処法 その⑪ 最適な漢方薬を探す
対処法 その⑫ 胃痛に効くツボを押す
対処法 その⑬ 胃に手を当てて温める
対処法 その⑭ ゆっくりと深呼吸をする
まとめ

胃液の分泌が過剰になっている場合、自分の胃液で自分の胃壁を荒らしてしまっている可能性があります。
胃が空になった時、胃酸過多の症状は強くなる傾向にあります。
胃が弱っているのであれば、刺激物でなくても何か食べればその食べ物が異物といて、胃の刺激になってしまい、胃痛を起こします。
胃の様子が落ち着くまでは人肌程度に温めた飲み物を飲むようにしてください。
胃が少し落ち着いたら、
•消化の良いおかゆ
•とろみのある温かいスープ
•煮込んだうどん
など消化の良い食べ物から食べ始めるようにしてください。
固形の食べ物を口にする際も、胃に入れる前に必ず温かい牛乳などを飲んで胃に膜を作っておくと刺激が少なくなって胃への負担が軽減されます。

前述でも述べましたが、胃が痛い時は冷たい飲み物は絶対にNGです。
温かい飲み物(熱すぎてもダメ)で、お腹を温めるちょうど良い温かさの飲み物を飲むようにしましょう。
•少し温めたスポーツドリンク•ハチミツを溶かした白湯•温かいミルクや豆乳
などが、オススメです。
ヨーグルトをお湯で溶かしたものも胃酸分泌を抑制してくれるので、胃痛には効果的です。

温かい飲み物でも、
•コーヒー
•紅茶
•緑茶
などのカフェインが入っている物は胃痛を悪化させてしまうので避けるようにしましょう。
また、
•炭酸飲料
•アルコール
も胃に刺激を与えてしまうので胃痛が悪化する原因となります。
胃が痛すぎて、体が何も受け付けない時は、白湯を飲むようにしましょう。
一番刺激が少なく、適度に胃を温め、痛みを和らげてくれます。
しかし、どんな飲み物でもガブガブ飲むと胃に刺激を与えてしまいます。
舐めるように少しずつ飲めば、胃が痛くても水分補給ができ、脱水症状を防ぐ事ができます。


お洒落なカフェ「hitotoki」
水底の邑 ②

水底の邑 ②
――そして散々だった文学フリマでの収穫は、この『水底の邑』という本だった。
フリマ終了後、ブースを片付け帰り仕度をする、売れ残った大量の本は仕方なく持って帰ることに――。重いトランクを押して出口に向かうと、山積みされた本があった。『自由にお持ち帰り下さい』と紙が貼ってあったので、ちゃっかり一冊頂戴した。
サイズは文庫本、百ページほどの薄い本だった。自費出版で有名な出版社から発行されており、おそらく契約期限切れで返本されたものに違いない。私もメンバーたちも段ボールに詰まった返本の山を一冊でも売りたくて、文学フリマに参加したというのが本音だ。
この『水底の邑』の持ち主も本が売れず、送料を使ってまで送り返すのが面倒になり、ここに置いていったのではないだろうか?
誰も読んでくれない小説なんて、ゴミと同じだと自棄(やけ)を起こしたのかもしれない――その気持ち分からなくもない。
その後、しばらく文学フリマでの出来事に苦心していたため、本の存在すら忘れていたが、本棚を整理したら出てきたので読んでみた。『水底の邑』のストーリーはこうだ。
都会の生活に疲れた、ひとりの青年が幼い頃に遊びに行ったことがある、山奥の祖母の家を訪ねた。だが、有ったはずの祖母の住む村はなく、今はダム湖に沈んでいることを知る。
帰りのバスに乗り遅れた青年は仕方なく、近くの小屋で一夜を明かすことに。夜半、寝ているとダム湖の水底から、誰かの呼ぶ声が聴こえてくる――ここまで読んでホラー小説かと思いきや、青年は声に導かれるままダム湖の水中の村へと潜っていく。突然、ファンタジーに変わった。
水底の村では、亡くなっていた祖母や村人たちが生きていて、元気に田畑を耕し幸福そうに暮らしていた。
村人に歓迎された青年はやがて村娘と夫婦になり、水底の村に残ることになったが一年を過ぎた頃、平和で退屈な暮らしに厭き厭きして、こっそり都会へ逃げ帰ろうとする。結局、村人に捕まってしまい、青年は水底の村で重い鉄の足枷を付けられて、一生浮上出来なくされてしまうという顛末だった。
不条理な話だと思いながら最後まで読んでしまった。ちょっと安部公房の『砂の女』に似たストーリーだ。
『水底の邑』を読み終えた感想は、あまり上手くない小説だと思った。
たとえば、文章の語尾は「だった。」と「でした。」の連続だし、接続詞は「そして」と「しかし」の2パターンしかなく、単調で稚拙な文章、読点や句読点が曖昧、改行が少ないせいで読み難くかった。
純文学風だが、語彙力が乏しく、素人の自分からみても実力不足を感じさせた。
ここからは私の想像なのだが、この小説はパソコンのワード書いたものではなく、手書きの原稿用紙から起こしたものではないかと考察される。会話文の堅苦しさや古臭い表現などから高齢者が書いた小説のようだ。
たとえば男女二人連れをアベックと書いたり、電話のダイヤルを回すと表現したり、作中の文章「村娘がシミーズ姿で僕を誘惑するのだった」など、昨今シミーズなどという女性下着の名称をあまり聞かない、今どきスリップという。
おそらく昭和三十年から四十年代にかけて、リアルタイムで書かかれた小説ではないだろうか?
きっと若い頃に書いた、この小説を誇りにして生きてきた人ではないだろうか。高齢になり人生の終焉が近づいて……自身の墓標として、この本を自費出版したのかもしれない。
若気の至りで書いたこの小説が作者の青春そのものだった。書いている最中は苦しくとも、何もかも忘れて夢中になれる。――たとえ読者に伝わらなくとも、その作品の良さを誰よりも分かっている。自分の作品が一番面白いと思っているのは、他ならぬ自分自身なのだから。思い上がりだとしても、そう思わないと文章なんて一行だって紡げない。
書き手の諸々の思いを散りばね完成したのが、この『水底の邑』という小説なのかもしれない。
著者は阪口時男(さかぐち ときお)。小市民観漂うペンネームだ。おそらく本名ではないだろうか。
『水底の邑』の舞台は京都の片田舎になっている。
淀川本流に建設されたダムは空想上だと思うが、地理や風景描写から天ヶ瀬ダムではないかと私は推測した。この作品を書くにあたって、この作者も一度ならず訪れたであろう、ここ天ヶ瀬ダムの上に私も立っている。
――そしてこの旅の終わり、この本をダム湖へ投げ落とそうとしている。
一昨年、私は眼の病気で手術をした。片目の視界が悪くなってしまい、もう創作は止めようかと思った。私は仕事を持っているし、これ以上無理はしたくない、しょせん趣味だから――そう分かっていても、止められなかった。
創作することは、私にとって業(カルマ)なのだ。それを背負わなければ、自分自身の重みすら感じることができない、唯一無二の存在理由だから、ただ書くことが止められず、創作という呪縛から逃れられない、私こそが『水底の邑』の住人なのだ。
やがて『水底の邑』は私の手を離れて、小鳥にように羽ばたきながらダム湖へ落ちていった。
文学フリマのブースに並べられた数多の名もない本たちよ。
誰にも読んでもらえず、理解されず、賞賛もされない。作者の思いだけを封じ込めた素人文学のページ、見果てぬ夢が瞬きながら深いダム湖へ沈んでいく――。
たとえ報われなくとも、光の届かない水底で足掻き続けていこう。


水底の邑 ①

水底の邑 ①
一冊の本を持って旅にでた。
本のタイトルは『水底の邑(みなぞこのむら)』文学的な響きに魅せられる。水底をみずぞこではなく、みなぞこと読ませて、村ではなく、邑(むら)という中国漢字を使っているのが興味深い。
邑(ゆう)音読み。(むら)は訓読み。口(くにがまえ、領域)+巴(屈服した人)、人を服従させ、その地に止めるの意。
『水底の邑』は、名も知らない作家の小説だった。
この本を手に入れた経緯はこうだ。
五年前、創作仲間たちと文学フリマに初参加した。大阪南部の都市で開催された文学フリマの会場は、まるで大きな体育館のようで、屋内には所狭しと机と椅子が何列にも並べらていた。
この机ひとつ分が1ブース、私たちのグループは2ブース借りて商いをすることにした。各自持ってきた本や会誌を机の上に並べた、他のブースの人たちは慣れているのか手際が良かったが、初参加の我々にはレイアウトなど勝手が分からない。
参加メンバーは四人、二人ひと組交代で店番をして、休憩時間に他のブースを見て回った。
――会場には様々な創作者がいる。
コスプレしてる人もいれば、大学のサークルの人たちもいた。ジャンルは詩、俳句、短歌、小説といろいろ有り。
その中には全員プロ作家という集団がいた。かなり高齢な人たちで、若いときに依頼されて文芸誌に自作が載った経験がある人たちだろうか。プロ作家で食べていける人はなかなかいない。作家として食べているならフリマで本を売ったりしないだろう。
四、五十年前なら小説を書く人口も少なかった。パソコンやスマホが普及した現代、アプリを使って誰でも簡単に小説が書けようになった。それゆえに素人作家が急増して、層が厚くなり公募で入賞するのが難しい。
その上アニメや漫画に慣れた若い世代に、活字文化はあまり人気がない。
詩の投稿サイトで知っている人のブースがあった、手作りの可愛らしい詩集を売っていた。三行か五行くらいの短い詩を描く詩人で大人しそうな男性だった。
以前は私の詩を読みに来てポイントを入れてくれたが、最近はぷっつりと来なくなっていた。あるとき古い自分の詩を見にいったら、そこに入っていた筈の彼のポイントが全部消されていたのに驚いた。
私に対して、よほど気にくわないことがあったのだろうか?
一度入れたポイントをわざわざ消しにくるほど、彼を怒らせた記憶なんかこっちにはない。そもそもコメントしない人だったし、私もポイントを返すだけの付き合い、そこまで嫌われる理由が全く分からない。
けれど自分では意図せずして、人を傷つけてしまうことだってあるだろう? 釈然としないが、今さら理由を知ったところで何も変わらない。
私のペンネームを名乗った手前、彼の詩集を買う破目になってしまった。
自分たちのブースに戻って店番をしていたが、さっぱり本が売れない。
売れたのは手作りの詩集と同人誌くらい……ミニバンの新車が買えるくらいの金額を投じ自費出版して、会場まで重いのを我慢して持ってきたハードカバー本は、値段が高いせいか、誰も買ってくれないし、手にも取って貰えない有り様だ。
けれど、あるメンバーの本は地方主催文学賞の入賞作品だったので、少し値を下げたら何冊か売り上げた。やっぱり無名作品だと誰も買ってくれないってことがよーく分かった。
サイトで知り合った創作者が何人かブースに会いに来てくれたので、売れ残った本をお土産に持って帰って貰った。少しでも身軽になって帰りたかったから――。
文学フリマ終了後、駅の近くの居酒屋で打ち上げをやった。
本は売れなかったけれど、創作仲間たちと文学フリマに参加できて楽しかったと私は思っていた。みんなと文学の話をしながら、鍋を囲み、お酒を飲むのは至福のひと時だった。
……だが、帰りの電車の中で「なんであんな本が売れるんや!」酔ったメンバーのひとりが、自分の本が売れなかった不満を吐き出した。
JRの車内で怒鳴るので……みんなからジロジロ見られ、連れの私たちは恥かしかった。そして急に静かになったと思ったら眠っていて、そのせいで降りる駅をひとつ乗り過ごしてしまった。
自分の本が売れないことが、やけ酒を煽るくらい悔しいことだったの?
お祭り気分で参加した自分には理解できない。みんな負けず嫌いなんだなぁーと感心させられた。
その日は大阪市内のビジネスホテルに泊ったが、酔ったメンバーはコンビニでお酒を買って、さらにホテルの部屋でもお酒を飲み続けた。酔って管を撒き、遠方から来たメンバーを寝かさないのだ。翌朝は二日酔いで機嫌が悪かった。しかもあれほど荒れたのに「昨夜の記憶がない」としれっいった。
お酒さえ飲まなければ、気配りの利く良い人なのに……お酒が入ると人格が変ってしまう。以前にも他のメンバーと喧嘩になりかけたことがあったが、翌日には謝るので事を荒立てないよう我慢してきたのだ。
楽しみにしていた文学フリマで、こんな嫌な思いをするとは思ってもみなかった。ネット上の人間関係をリアルに近づけ過ぎた自分自身の愚かさを反省する。これからは創作サイトだけの交流しようと決意した。

